「ニッポンの年中行事」 - ウホッ！　いい団子（藁

ウホッ！　いい団子（藁

インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。

大助人形（おおすけにんぎょう）　　 茨城県の主に北部久慈川流域地方で行なわれる、鹿島信仰と習合した厄病送りの行事。旧暦7月10日前後、現在の8月下旬に行なわれ、オカシマサマ、ニンギョウサマなどとも呼ばれる。
夕方になると、子供たちが小麦や大麦のワラで作った大助人形を担ぎ出し、「大助人形おーくんぞ、鹿島の舟渡におーくんぞ」などと叫びながら村境に集まる。大助人形は、悪霊を追い払う人形、または鹿島の神の化身とも考えられており、顔面には、墨で書いた武者の顔が貼り付けられ、腹には団子や小麦饅頭が入れられている。
子供たちは各々に大助人形を掲げ、隣の町内の子供と人形同士を戦わせ、腹に入った饅頭の奪い合いを始める。奪った饅頭を食べると、力が強くなるといわれている。
最終的に大助人形は火をつけて燃やされるが、燃え残りの人形を虫除けとして畑に立てる地域や、厄病除けとして村境に立てる地域もある。
燃え尽きた藁人形が村中に立っていれば、悪霊どころか、変質者や泥棒も裸足で逃げていくに違いない。

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