文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
第一課 ワインビネガーの将来性
皆さん、ワインビネガーは試してみましたか?
食酢だからと言って、何も上の口から飲むだけで無く、下の口、それもケッツの穴から飲んで味わおうと何としようと、利用者の勝手ですが、日本から発して世界中で、ワインビネガーをケッツの穴から、どんどん飲むことがファッションとして流行りだしたら、アメリカやフランスのどん百姓どもは、プライドを丸潰れにされたと言って怒るでしょうか。
否、彼らは本音は売れて金になりさえすればいいと思っているでしょうが、一応うわべは不快感を表明するかも知れませんね。
だが日本はこうすることによって、横暴きわまりなきアメリカやEC諸国に報復すべきだと私は考えています。
エイズや麻薬密輸の問題が近年急速に深刻化してきましたが、この分では近い将来には世界中の各空港に於て、出入国者は体内に何か隠していないか、悪い病気をもっていないかを調べるために、一人一人、ガラス張りでカメラの備えられた検査室に入れられて、全裸の身体検査の後、四つん這いにされて、このワインビネガー約一リットルの注入による直腸検査を受けなければならないようになる日がきっと来るでしょう。
浣腸に使う薬渣は、普通はグリセリンが一般的なのですが、何せ買え買えと他国に強迫的に売りつけようとする程沢山穫れて安価なしかも安全だという農産物の加工品ですから、毎日大量に浣腸に使う段になれば、このワインビネガーに勝る物はありませんから。
こうやって出入国管理が全世界で統一されたら、公明正大になり、
「何やらパンツの中に入っていた」
とか言うような、訳の分からない裁判沙汰などはすべて無くなるでしょう。
皆さんは、まさかそんな検査など、人権問題になるからやれる訳は無いと高をくくっているかも知れませんが、すでに近隣の某国では、エイズを含めた性病撲滅のために、外国人居留民に対する徹底した検査が実施されており、現地在住の日本の商社員は、その家族も全員が、すべて定期的に病院に呼び出されて、そこで全裸にされて、何人もの医師や検査員によって、身体の隅から隅まで調べられ、四つん這いにされて、性器や直腸の内側まで、徹底的に調べられており、これが在留日本人(特に女性)にとって一番の憂鬱の種となっていることをよく知るべきです。
エイズの蔓延により、これがそのうち普通の旅行者等短期滞在者にも適用されることでしょう。
現在の中国では浣腸に石鹸でも使っているのではないかと思いますが、そのうちワインビネガーに眼をつけることでしょう。
いずれにしても全世界の出入国管理所や留置場・刑務所その他で、ワインビネガーが使われるようになったら、その特産国のアメリカとフランスが、激しく売り込み合戦を展開するのはまちがいありません。
(続く)
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