作=Mっ子(まじめっ子)女子高生
【3】新体操部、腹痛に襲われる
お風呂場から出ると、みんなで濡れたレオタードを外の物干しに吊るしました。裸の上にTシャツを着ただけの格好で、ちょっと動くとお尻なんかが出てしまいますが、もう秘密の場所を見せ合った仲なのでぜんぜん平気でした。
夕食を済ませ、宿題や勉強が終わると、もう寝るだけになってしまいました。夜になると涼しい風がふいて、カエルや鳥かなんかの声がすごく大きく聞こえます。
なんだか心細くなってきて、ラジカセもスタンドの電気もつけっぱなしにしたまま、みんなで仔犬の姉妹みたいに抱き合って眠りました。
その夜中のことです。ヒソヒソ話し声が聞こえて、わたしは目を覚ましました。体を起こしてみると、みんなが困ったような顔をしてなにか相談しているのです。
「どうしたの? みんな、こんな時間に」
わたしが聞くと、「あっ、キャプテン。キャプテンもお腹、痛くなったの?」って、逆に変なことを聞かれてしまいました。
そう言えばなんだかお腹がグルグルして、トイレに行きたいような感じでした。ここでは山水を使っているので、伯父さんから「慣れないうちは沸かしてから飲み水に使うように」と注意されていたのですが、冷たくておいしいので、わたしたちはそのまま飲んでしまって、それでお腹が変になってしまったのです。
トイレは合宿の建物からちょっと離れた所にあるので、用を足すには外に出なければなりません。ところがみんな夜中に外に出るのが恐くって、だれもトイレに行く勇気がないのです。
仕方がないので救急箱の中を探して、整腸剤を取り出して飲んではみたのですが、ぜんぜん効き目がなく、お腹はますます苦しくなってきました。
「どうしよう。もう出ちゃいそう」
寝床でみんながお漏らしをしたりしたら大変でなことになります。
(続く)
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