作= Hibi Seiichi
【3】仮面を外した家庭教師
「やっ、やめて下さい!いっ、今なら間に合います。考えなおして下さい!」
「ここまできて、そうはいきませんよ」
渋沢は非情な笑いを浮かべて、和子のブラウスのボタンを外し始めた。
「いっ、いやっ、やめて下さい!宏だって見ているじゃないですか!」
和子は激しく体を振りたくって抵抗した。それを見た宏の体は怒りで火のように熱くなった。
「何するんだ。やめろー!」
宏はありったけの声で叫んだ。
(洗濯ヒモで縛られてさえいなければ......)
自分の母親が目の前で裸にされる――そう思っただけで宏の胸は張り裂けそうになった。
「やめろ、手を離せ!」
必死で叫ぶ宏だが、体をイモ虫のようにくねらせるのが精一杯の自分が情けなかった。
「お......お願い、やめて下さい。お金なら好きなだけ差し上げます」
ブラウスのボタンを外されながら、美しい顔を困惑に歪めて叫んだ和子を渋沢は、ジッと見詰めた。
「お金なんかいらねえよ。俺は初めて奥さんを見た時から犯したいと思っていたんだ。今まで旦那の帰らない夜を調べながら機会を狙っていたんだよ」
「!」
和子は絶句した。宏も信じられないという顔で渋沢を見た。何と恐ろしい家庭教師を雇ってしまったのだろう――二人は同時にそう思った。
(続く)
上へ |
カテゴリ一覧へ TOPへ |
■広告出稿お問い合わせ ■広告に関するお問合せ ■ご意見・ご要望 ■プライバシーポリシー ■大洋グループ公式携帯サイト |