監督：濱竜二
発売日：2013年3月1日
品番：RHTS-015
収録時間： 120分　
定価：2,980円
メーカー：FAプロ

文＝安田理央

田舎の学校。おさげの純朴な美少女に告白する男子生徒。しかし少女は、教師と関係を持っていた。

「教師と生徒の前に、俺たちは男と女だ」

教師は男子生徒を殴りつけ、そう言い放つ。ここまでなら、禁じられた純愛ストーリーということになるわけですが、この教師は少女を客に抱かせて金を稼いでいるというとんでもない男だったりするのです。少女は、それを東京で二人で暮らすための資金稼ぎなのだと信じて、汚らしいオヤジたちに抱かれます。

パンストをかぶって顔を隠した中年男二人がかりに犯されたり、野外で放尿姿を見られながらフェラさせられたり、そして時には教師の兄に抱かれたり......。

なんといっても教師のために、健気に身体を汚していく若菜亜衣ちゃんが素晴らしいですね。そのノスタルジックな雰囲気のルックスと、無垢な表情。それでいて、諦め切れずにセックスさせろと押しかけた男子学生にすました顔でこう言うのです。

「ところでセックスの経験あるの？」
「私は100人はいってないと思うけど、50人はいったと思うよ」
「本当にいいの？　私が最初で」
「私とエッチするとお金取られるよ」

その全てを諦めたかのような虚無的な表情の怖さ。そして一転して、教師と抱き合う時の可愛らしい表情。素晴らしい演技力ですね、若菜亜衣ちゃん。

また、あえて説明不足気味にしたと思われる淡々とした映像もいいんですよね。後半は「えっ、ええーっ！」と驚くような展開があるんですが、どうしてそうなったのかの過程は説明されずに、見ている人は想像するしかない。でも、その突っ放した感じが心地よくもあります。

放課後の教室で、教師が自分が舐めたリコーダーを亜衣ちゃんに舐めさせるシーンや、教師と教師の兄と亜衣ちゃんとで川の字になり、両方に交互にキスするシーンなど、エロティックかつ印象的な場面も多いのです。

AVに、映画のような作りこんだ映像は本当に必要か？という論争もありますがFAプロの作品を見ていると、きっちりとキャラクターの関係性を描写した映像は、エロティックな興奮をさらに高めてくれていることが、はっきりとわかります。セックスに奥行きがあるですよね。カラミではなく、セックス。その違いは大きいのですよ。