監督: ヘンリー塚本
発売日:2012年12月13日
品番:HTMS-017
収録時間:95分
定価:3500円
メーカー:FAプロ
文=遠藤遊佐
強姦されてみたいという願望を持った女というのは案外多いもの。
でもそれはあくまで妄想の中だけのことで、実際に夜道で知らない男についてこられたら怖いし、彼氏でもない相手のチンポを舐めさせられるなんてまっぴらごめんと思っているはず。そのへんの線引きはしっかりできているのが、普通の女です。
しかし、本作に出てくる女"律子"はそうじゃない。
朝から晩まで荒々しくレイプされる自分の姿が頭から離れず、暇さえあれば強姦妄想をオカズにオナニー。「下手をしたら殺されてしまうかもしれない」とわかっているのに「でも、そんな恐怖さえも味わってみたい......」と願ってしまう。
見た目は黒いおさげ髪にワンピースの清楚な女子校生なのに、胸の中には「汚されたい」というどうしようもない性癖を秘めている――。
ヘンリー塚本監督が、そんな変態女の業をがっつり描いた一本。
登場する女は菅野しずかのみ。娘時代と子供の頃のエピソードの2つを描いた「強姦妄想に囚われた女の一代記」とでも言うべきつくりになっています。
近所の男の子たちが強盗役になり、少女時代の律子を縛って押し入れに閉じ込めイタズラをする『強盗ごっこ』もムズムズするようなエロスを感じさせてくれますが、なんといってもスゴイのはメインである『強姦願望の女の告白』でしょう。
舞台はFA作品では定番の昭和風情溢れる田舎町。
自分の中にくすぶる強姦願望をもてあます女学生・律子は、ハゲで汚くて見るからにいやらしいオヤジに犯される自分を想像して毎日のようにオナニーしています。
ある日、下品な落書きだらけの公衆便所でオナっていると、隣の個室から同じようにハァハァ喘ぐ男の声が。夢中になって壁に耳を当てるうちに男に気づかれ、そのままスカートをまくって汚い便所でハメられてしまう。まあ、いってみれば強姦願望が叶ったわけですね。
「お前が盗み聞きなんかするからだぞ。いやらしい姉ちゃんだなあ」と吐き捨てるように言われてもショック一つ受けず、手についたザーメンの臭いを嗅いでうっとりする律子。もう、このあたりからひしひしと狂気を感じます。
実は彼女は近所の大工の親方に「犯してほしい」と思っており、さりげなくモーションをかけて見事レイプされることに成功するんですが、恐ろしいのは念願かなってハメられても満足しないところ。
若い女とねんごろになって有頂天の親方をよそに「本当はもっと力ずくで犯られたかった......」とオナニーで欲求不満を晴らすんですよね。
その後、彼女の性癖に気づいた親方が手を縛って無理矢理レイプっぽいセックスに及ぶんですが、それでもダメ。
なぜなら律子は
「猛り狂うお荒くれ男に、首を絞められて犯されたい」
「男に犯される妄想をしながらのオナニーでないと、オルガスムスを得られない」
と思っているから。
犯されながらも、どこか遠くを見ているような目が印象的です。
菅野しずかという女優はごらんのとおり儚げな美人なんですが、服を脱ぐと細っこいのにいい具合に生活感があるカラダをしてる。女の業がにじみ出てるんですよね。
見知らぬ男に犯されるためにノーパンで一人暗がりを歩き回り、公園のベンチで切羽詰まったオナニーを繰り広げる女。欲望のためにどこまでも突き進む姿を見ていたら、ヒロインじゃなくヒーローに見えてきてしまいました。
哀れでもあり清々しくもある変態女の一代記。FAファンなら必見の一本です。
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