文=遠藤遊佐
数あるドラマ物AVの中でも、他では感じられない独特のムードを放っているヘンリー塚本作品。うーん、いつ見てもドラマチックでシビれます。
シチュエーションの生々しさや、それを演じる女優男優の高い演技力はもちろんですが、今回つくづく思ったのは、なんといってもセリフの素晴らしさ。
普通に聞いたらちょっと気恥ずかしくなってしまうようなクサいセリフが、昭和っぽいムードにぴったりハマって、たまらない卑猥さを醸し出してるんですよね。
本作は、1本20分ほどの掌編を5本収めたオムニバス。主に人妻や熟女をヒロインにしたねちっこい話が繰り広げられています。
1話目は、結婚して子供もいる幸せな主婦(友田真希)が、突然目の前に現れた元カレに拉致され、いけないと思いつつも昔を思い出し野外SMに走ってしまう話。
濃厚なベロキスの後「どうする。このまま止めてもいいんだぞ……」と言われ陥落する主婦の姿はまるでメロドラマ。でも、やっぱりジュンとなっちゃいます。
2話目は、自転車のサドルにディルドを装着してサイクリングオナニーに励む女の話。
欲求不満の彼女は、あるとき隣の部屋に住む男に迫られ関係を持ちます。しかし急に帰ってきた兄にハメているところを見つかり、なぐられてしまう。
「俺はお前のなんだ!」「お兄ちゃん」
「お前は12歳の時から俺とできてるんだよな?」「……うん」
「アイツはなんだ!」「なんでもない!」
「お前の体は誰のものだ」「お兄ちゃんのもの!」
ドラマチックなセリフでたたみかけながら、ビンタ。そして我慢できずにバックから激しくズボズボ。どうです、このダンディズム。震えるでしょう。
3話目は熟年夫婦の寝起きファック。
起き抜けに朝立ち夫に求められ「んもう、いいけど……ご飯作る時間なくなるからね」なんて言いながらも、慣れた舌遣いでフェラする美乳妻。
「あ……あんたッ……会社に遅れるわよ……」
「……飯食わずに行くから大丈夫だッ」
なんて日常会話と、ねちっこくハメまくる夫婦のギャップがエロティックです。
4話目は、最近プレイク中の徳田老人が演じる舅とスキモノ嫁の介護ファック。
そして5話目は、交通刑務所から出てきたばかりの旦那と妻の一発。
「あんたァ、あんたのマンコよォ……。飽きるほどヤッて! 飽きるほど使ってッ!」
若干疲れた妻の頬を滑り落ちる一筋の涙。そして止まらないピストン。
ああ、やっぱり秀逸だなあ。
いつも感じることですが、この1本20分前後という短い時間の中に濃厚なドラマを詰め込んでいるのもヘンリー塚本作品の特徴(もっとすごいのだと、1作品に10話くらい入っているものもある!)。
一つのプレイを延々描写し続けるAVが多い中、あえてテンポよくまとめているのは、出したり入れたりという行為じゃなくあくまで“ドラマ”を描きたいからなんでしょうね。
「今どきのAVよりも小説のほうがヌケる!」なんて人には、特にオススメの一本です。
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