文＝雨宮まみ

ショート丈のコートに黒いパンツ姿がスラリとカッコいい人妻、美保さん。舞台をやるかたわらAVにも出演しているそうで、キリッとした知的な雰囲気が美貌とあいまって独特の魅力と色気をかもし出しています。

最初はそんな彼女がなぜこの世界に入ってきたのか、そのきっかけとなった出来事を再現ドラマ風に撮影。最初は裸で緊縛され、ひざまづかされての強引なフェラチオで口の中に精液をドップリ注ぎこまれた……それが強烈な体験だったそうです。再現された撮影でも、口の中に精液をいっぱいに溜めたまま、麻縄を食い込ませた美保さんはうっとり陶酔した表情になっていました。

「監禁、調教といったシチュエーションがまさに自分の妄想していた世界で、それがきっかけでハマってしまった」と美保さんは語ります。その後、ストリッパーとしても活躍し始めた美保さんは、ある男性に連れられ、美保さんのファンだという男性を集めた部屋に行くことになります。

集まっていた男性は美保さんのストリップのファン。いつも美保さんの美しい肌を目の当たりにしながら、指一本触れることも許されないでいる飢えた獣のような男性たちです。その男たちの前で、美保さんはオナニーするよう命じられ、戸惑いながらも興奮し「見て、イクとこ見てて下さい……」と口走りながら昇り詰めてしまいます。もちろんそれだけで済むはずがありません。呼吸を荒くしながらそれを見守っていた男たちは美保さんに襲いかかり、3人の男たちに囲まれて美保さんは犯されながら口の中にもペニスを突っ込まれ、空いた手にもビンビンになったペニスを握らされて輪姦されてしまいます。

そのプレイにも激しい興奮を感じてしまった美保さんは、そういう場を用意してくれた男性とのおつきあいにのめり込んでゆきます。そしてついにはその男性と結婚することに。今のご主人がその男性だそうで「他の男に犯されているお前を見ると興奮する」と言われているのだそうです。

そんな美保さんの性癖や性遍歴をひとしきり再現ドラマで撮影した後、監督は美保さんと二人きりで温泉に向かいます。二人きりの時の美保さんは、緊縛や輪姦といったSM的なシチュエーションでの興奮や感じぶりとは違った一面を見せてくれます。我を忘れたようにSMの世界に陶酔していくプレイとは違い、等身大で日常の「美保さん」の延長線上にあるかのような、少し恥ずかしがったり甘えたり、いつもカッコいい美保さんが女としてのスキを見せているんです。

そんな力を抜いた状態でする甘いセックスでは、前半とはテイストが異なる美保さんの色っぽさや性的な魅力がかいま見えます。完全に理性を失ってどこまでもスケベに堕ちていくプレイではなく、快感に理性を失いかけながらも完全に堕ちてしまわないがゆえの恥じらいや興奮が見えるのです。

自分の性癖やスケベさを受け入れた美保さんに暗さや卑屈さはなく、セックスも心から楽しんでいるようですが、個人的にはそんな「カッコいい美保さん」の姿より、車の中で監督としゃべっていて急に「○○じゃん?」とくだけた口調になったり、ちょっと恥ずかしそうに「じゃあね」とお別れのキスをしたりする「かわいい美保さん」の部分にグッと来ました。自立した素敵な女性のセックスが見たいなら、この作品はその期待に応えてくれるものだと思います。