文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
【腰が笑う】
さっきから指でこねくり廻されたり何回も温かい湯で洗浄されて柔らかくなっている酒屋のお姉さんのお尻の穴は、背中の方から先ず骨盤を掌でうしろからぴったりと押さえられ、押さえたお姉さんの掌は五本の指を全部パッと開いて、ヌルヌルしたままで、夫々の指の先を鉤の手に曲げて、それで指圧をするように酒屋のお姉さんの腰のうしろの所を刺戟し始めたのです。
お姉さんの指先は丁度蜘蛛の足みたいな動きを見せています。
骨盤の背面の中央、背骨の下になる所に仙骨というのがありますが、お姉さんのようにそこを上手に刺戟すると本当にどんな頑強な人でも腰が笑ってしまうと言われていますが、本当に腰の蝶番の芯を抜かれてしまったみたいになって、身体中の筋肉がとろけたようになって痺れて弛んでしまうのです。
酒屋のお姉さんも童女のようにあどけない声で、
「ヒイー」
と泣いてくなくなとなったと思ったら床にジョーとおしっこを洩らしてしまいました。
臨月に近い大きなお腹をかばうように両手で抱えて座って反り返った酒屋のお姉さんのお尻の下からうしろへ、おしっこはジトーッと流れ広がりました。
「猛ちゃん、見やんといて……恥すかしい……」
と絶え入る酒屋のお姉さんのお尻をタオルでめくったお姉さんは、『婦人倶楽部』の特集号を持って来て、
「ここにええことが書いてあるわ、性生活の特集号やけど、ほれこの避妊の所に色々な避妊法の一番最後に『肛門生殖法』て変わった方法かあるが」
とそこを指し示しました。
そこには数行ですが、避妊法の一つとして、膣ではなく男性がペニスを女性の肛門に挿入して性交して肛門内に射精をすれば妊娠は防げるが、そのためには女性が病院で医師の手で軽い手術によって肛門を拡げておく必要があると書いてありました。
お姉さんは、
「この本には手術が必要やて書いてあるけど、そんなん要らんわ、昔からお釜掘るて言うて、お尻の穴使うて性交するのは常識みたいなもんやで陰ではやっとるやろうに、あんたかてもうこうやっただけで指が四本揃えて入るくらいやで、チンボくらい入るやろう、あんたは今妊娠中やで避妊の心配せんでええけど、臨月に近いで普通の方法で膣使うで性交したらお腹の子が破水起したらえらいことやけど、お尻の穴からつついてもらうのはかえってええことなんよ。
妊娠したからいうてあまり禁欲しとったらあかんのやで、適当にあれしてお腹の子を刺戟せな、予定日過ぎても出てこんと中で育ちすぎると難産で苦しまんならんから、昔の人は小そう産んで大きう育てるのが一番理想的や言うて、嫁さんのお腹が膨らむと村内の若い衆が夜這いに来ても家中の人が知らんふりして、内心は歓迎したんやそうよ。
あんたかてお腹の子が育ちすぎにならんうちに早う産まれるように猛ちゃんにあの大きなチンチンでお尻からやってもらう方がええのよ、そやで猛ちゃん呼んどいたんやんか、ほかの男の鰯みたいな貧相なチンボで突いてもろたかてちょっとも気持ちええことあらへんから、どうせやったら猛ちゃんにやってもうた方がずっと得やないの?尻の穴からしてもろたら破水する心配も無いし……と言うのです。
すっかり納得した酒屋のお姉さんは、
「そやけど猛ちゃんの、大きすぎるで痛あないやろか?」
と言いながら私達の方にお尻を差し出しました。
(続く)
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