文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
【吠えてきたがや】
私の足元に正座した酒屋のお姉さんは、両方の掌に私のチンチンを捧げるように包み込んで、
「ほんまに見事なもんやなあ、『お局はたった四五寸不足なり」
て昔の川柳にあるけど、日本人の男の大人のチンボの大きさは大体四寸から五寸くらいやでいうことやで、うちの主人のは十三センチ六ミリやで昔でいったら四寸五分やでまあ平均くらいやと思うとったけど、この子のは桁が違うわ、二十センチはあるのやないの?惚れ惚れする立派なチンボやんか、世の中にこんな凄いもんがあるで、話では聞くけど冗談やとばっかり思うとったけど、えらいもんやなあ、ほんまにあったんや……、それもこんな身近な所に……」
と感慨を込めて言いました。
お姉さん達に両側からこうやってチンチンをさわられたり見られたりするのは、とても気持ちがいいのですが、今日はいつもと違って真っ昼間で、こんなことをしている時に不意に誰かがやってきたら……と思うと、私は気が気でありません。
「お姉さん人が来たらかなんが、どうしよう?」
と言うと、お姉さんは落ち着いたもので、
「猛ちゃんそんな事心配せんでもええ、そのために今日はお姉ちゃんはちゃんと服着たままおるから、人か来たらあんたらは物言わんと静かにしとったらええのや、お客さん来ても入リロで早う帰ってもらうようにしたるさかい……」
と言うのです。
さすが頭のいいお姉さんです。
これなら安心です。
安心と分かれば現金なもので、私のチンチンはほぼ水平に捧げられた酒屋のお姉さんの手の上で、生きのいい鯉がはねるように、ピクンピクンと四十五度斜め上にはねるように首を振り、先端部が紅味を増し、そこの縦の割れ目からトローリトローリと透明な涎を垂らし始めました。
もっとも障子の外から覗いていた時から涎は出ていたのですが、それは一滴でパンツを濡らしてヌルヌルしていたのですが、今こうやってお姉さん達の掌の上でもてあそばれることによって確かな反応を示し始めたのです。
このあたりでは男のチンボかピンピンに立って脈打ってくることを、
「吠える」
とか
「吠えてきた」
と言いますが、正に今私のそれは吠えてきたのです。
お姉さんたちも
「わあ、吠えてきた……」
と歓声を挙げました。
※後になって大学生時代に読んだ澁澤龍彦訳のマルキ・ド・サドの一連の著作で、澁澤はペニスのエレクトした様を、『おえる』とか『おえ立つ』と表現しています。
トマトのように紅のさした、艶光りする大きな先端の小さなロからトロー、トローと湧く涎を掌に受けたお姉さんは、
「猛ちゃんは手で触ったると、涎一杯出すでクリーム要らへんよ、これ塗るとよう滑るで……」
と言ってその掌を背後から酒屋のお姉さんのお尻の間に、まるで花畑の土に差し込む小さなスコップのように差し入れ、手首をひねりながらお尻の溝を擦り始めたのです。
(続く)
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