文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
第三課 またもう一つある道
そんなには出費が出来ない、或いは誰かにやってもらうのがいいとのたまう虫のいい君のために、今一つ、サンドブラスト機を使う方法があるのです。
職業別電話帳で近くの墓石屋さんか又はガラス加工の欄でサンドブラスト加工場を探そう。
その前に、知らない人のために説明しよう。
サンドとは砂のこと、ブラストとは吹き付けるということで、砂を吹き付けて削り加工をすることをサンドブラスト加工と言います。
今は昔、アメリカ合衆国のとある田舎の、砂漠の外れの一軒屋で、或る晩凄い砂嵐があって、翌朝その家の主が、窓から外を見ようとすると、不思議や窓のガラスが一夜にしてスリガラスに変わっているのを発見。
更によく調べようと外に出て見ると、窓の近くに一本の棒杭が立っていて、その棒の陰になる所だけがスリガラスにならずに、もとの透明なガラスのままであることが分かったのです。
その人はそこで閃いた。
『そうだ強い力で砂(研磨材の粉)を吹き付ければ、ガラスのよっな硬い物を削ることが出来、そして削りたく無い所だけは、何かで覆って保護すればいいのだ』
と。
その彼が発明したのがサンドブラスト機で、初めの頃は鉄橋の錆落としなどに使われ、それが段々とガラスや石材の加工にも使われるようになったもので、ガラスの磨り加工や彫刻、それに墓石や碑文や表札の文字など、今ではすべてこれを用いて加工します。
砂は昔はサンドペーパー用の天然の赤砂を用いていましたが、今は真っ白な研磨材の微粉末ホワイトランダムを用い、削りたく無い所は、糊の付いたビニールシートを貼って保護し、三馬力前後の強力なエアーコンプレッサーで作り貯めた強圧の圧縮空気で、タンクに満たした砂を噴射させて、これを被加工物に当てて削るもので、これを用いれば石材でもあのように穴が掘れるのです。
電話帳を調べて、墓石屋さんに頼むのが一番で、もし近くに墓石屋が無ければ、ガラス加工の所で、サンドブラスト工場を探して頼むといいでしょう。
何故墓石屋さんが一番かと言うと、石屋の扱う機種の方がガラス加工のサンドブラスト機より馬力が強く、瓶などは本当に
「あっ」
と言う間に切断してしまうからで、一本くらいでは面倒たから十本か二十本一度に切ってもらうと良い。
そのためには、ぜひ墓石屋さんと仲良しになることが必要てす。
※この記事は1993年に収録したものからの再録ですので、情報は当時のものとなります。
(続く)
上へ |
カテゴリ一覧へ TOPへ |
■広告出稿お問い合わせ ■広告に関するお問合せ ■ご意見・ご要望 ■プライバシーポリシー ■大洋グループ公式携帯サイト |