文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
第二課 ケッツの穴は吸いとる
先に医院で誤って逆性石鹸(消毒薬)や農薬を浣腸されて死んだ患者のことを記しました。
肛門の奥の直腸粘膜は養分を吸収する働きがあり、酒類(アルコール)の吸収では口から飲むよりはるかに早いので、ビールやワイン以上の度数の高い酒類は必ず水又は湯で何倍かに薄めて使わなければ危険です。
新婚から子供を一人産んだくらいの若妻がとてもなまめかしく見えるのは、繰り返し行なわれる性交によって射精される夫の精液が膣粘膜から吸収され、その中に含まれているフェロモン(実体は解明されていないが或る種の男性ホルモン)が女体に作用して、女性ホルモンの分泌を活発化させるからだと言われています。
直腸粘膜の吸収力は膣より優れていますから、肛門の中に射精されることは、女性にとっては、若々しさを長く保つ上で優れた方法である訳です。
だからかってのアメリカのウーマンリブ運動の戦士たちは、
「男などという下等動物は無視すべきだが、唯そいつの出す精液は我々女性の美しさを保つ上に必要だから、前(膣)を提供するのは男に対する敗北であるから、ケッツの穴を差し向けて、そこで男と交わって、直腸へその精を吸い取ってやろう」
と唱えたのです。
我々男性からしてみれば、いくら下等動物と思われても結構だから、そんな若いきびきびした女性が、自分の方からお尻を差し出してやらせてくれるのだったら、正にこれこそ棚から牡丹餅で、喜んで何同でも射精させられたいところてす。
直腸とはこのようによく吸収する力をもっていますので、昔は身体の虚弱な人の栄養補給の手段として滋養浣腸と呼んで、主に卵や牛乳をケッツの穴から注入して与えたものです。
今では直腸の吸収力を利用して、座薬というものが作られ、風邪薬を始め、色々な薬がケッツの穴から挿入されるようになってきましたが、肛門先進国であるフランスでは、ほとんどの薬はケッツの穴から入れることが一般化していて、この国では体温の測定も腋の下や舌下では無く、ケッツの穴から深々と体温計を突っ込んで調べる直腸温が普通だそうで、私の知人で箱根にある某ミッション系の病院の看護婦をしている人の話では、毎朝の朝礼の後各自かお尻から体温計を入れて自分の体温を計って申告するのだそうです。
男女のホルモン剤も肛門から挿入するものが多く、昭和二十八年頃、ラジオの文化放送の夜のコマーシャルには、『ヘブ男性』という男性ホルモンの宣伝に若い女性の声で、「文明は東方から、ホルモンは肛門から、ヘブ男性!」と言っていたのがとても印象的で、今もよく憶えています。
(続く)
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