文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
第二課 便秘
ここで素直に排便をすれば、一日一回の規則正しい排便生活が送れるのですが、夜ふかしや朝寝や、不規則な食生活で、生活が乱れると、排便すべき時に無理に我慢したり、偏食や不摂生や体質上、痔にでもなったりすると、排便が辛いので我慢するようになります。
そうなると、折角湧き起こってきた神の啓示とも言うべき排便感が引っ込んでしまい、そのようなことが度々常習化すると、ついには排便感が起こらなくなります。
又、直腸内の便も水分を吸収され、追加が加わって大幅に増量され、コチンコチンの石のようなのが、直腸だけでは内蔵しきれず、S字状結腸やその上の下行結腸にまで溜まったままになり、腸粘膜は伸展収縮のリズム活動を忘れてしまいます。
胃拡張の人の胃のように唯伸び拡がったままになり、宿便の間で発生したガスだけが、その固い便のすき間からケッツの穴に洩れて来るだけとなるのです。
さぁこうなったら大変です。
とても浣腸では出て来ません。
ケッツの穴よりはるかに口径の太い物が中に居座っているのですがら、もうこれは医師や看護婦の手で、ケッツの穴をクスコなどの膣鏡で、家鴨の嘴を突っ込んだようにして開いて、そこから器具をいれて、石炭掘りのように砕石して指で掻き出さなければなりません。
このウンコの終着駅の直腸、その大きさは個人差がとても大きいようです。
私の場合、ニワトリの玉子をケッツの穴から押し込むと、二個まではスルッと楽に滑り込みますが、三個目を入れると、半分以上、三分の二くらいまでは入るのですが、それ以上押すと、中から押し返してきて、三個目の玉子が割れてへこみます。
第十三講で紹介した"お尻のマドンナ"夏川絹子さんの場合は、三個は楽に入るそうで、私より直腸が少し長いことが分かります。
※直腸より上、S字状結腸や下行結腸にまで物を押し込むには、先に大量の水か又は空気を注入して、腸内を拡げておくと、玉子でも十個前後は楽に入るものですが、単に直腸にだけ入れるには、二個か三個で行き止まりになるということです。
この直腸、容積的にはどれくらい入るのかというと、拳骨が入ることは前にも話しましたが、私の直腸には、夏みかんくらいの大きさまでは入るようです。
それはどうして分かるかと言うと、コルポ・イリンテルという産科の医療器具を用いてみたからです。
コルポ・イリンテルは長い管の付いた生ゴムの風船で、水や空気を入れると夏みかんくらいに膨らみます。
産科では出産間近の産婦(持に初産や骨盤が狭くて難産が予想される時)が早期破水しないように、それを産道(膣内)や直腸内に入れて膨らませて栓にするのです。
早期破水というのは、胎児が子宮内にある時は、羊水という水に包まれて浮いていて、出産期になり、子宮口が開き、産道が拡がると、胎児はこの羊水と共に母胎の外へ出されるのですが、出産の条件(産道の拡大)が完全に整わぬ前に、羊水だけが早く洩れ出し、胎児が子宮内に残されると、クッションの役目をする羊水が無いので、非常な難産になります。
だから羊水が出ないように前もって栓をして塞いでおく。
ゴム風船の栓が即ちコルポ・イリンテル、略してコルポなのです。
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