文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
性器だけがセックスの道具であると考える人は貧しい。肛門こそはヴァギナに優るとも劣らぬ快感の源泉であり、熱心に鍛えれば鍛えるほど、より大きくより豊かな性の悦びを与えてくれる。論より証拠まずは、この人を見よ。
【貫通】
「あっ、お兄さん……はいっちゃうわ、どうしよう?」
春子ちゃんの声に私は
「大丈夫、そのままズンといれて……」
と言うや否や春子ちゃんの掌は五本の指を揃えたままヌルッと入りました。実にあっけないものでした。女性の手首が初めて私の肛門を貫き直腸に侵入したのです。
「大丈夫!!」とは言いましたが、私も生まれて初めての体験ですから、そんなに自信をもってのことではないので、入るには入ったが、あまりのんびりしていてアヌスが締まってしまい、中に入った手首が今度は抜けなくなってしまうのでは?との恐怖が一瞬脳裡をよぎり、私は
「春子ちゃん、一回手を抜いてみて!!」
と頼みました。
春子ちゃんは私を信頼しきっているので素直にスポッと手を抜きました。恐れに反して手首は楽に抜けました。
一回弛くなるとそんなに急にキツく締まったりしないということが解ったものですから今度は何度も何度も手首の出し入れをしてもらいました。
私のアヌスは弛んで柔軟になってはいますが、それでも手の指の根本の所、つまり手の一番太い所が通過する時は、ヌーと段々にアヌスが熱くなり、極限になり目から涙があふれそうになり、スポンと入ってしまうと今までの苦痛が嘘のようになくなり、それの繰り返しで、何度も何度もそうやって出し入れのピストンをしてもらうと、感激と苦痛とで涙がとめどなくあふれ、春子ちゃんの顔がかすんで見えました。
春子ちゃんも、
「わあっ凄い、お兄さんのお尻の穴って女の人のオマンコみたいね、中とっても温かい、柔らかいよ……」
と感激していました。
そうやって締まってしまう恐れがないのを確認して、さて本番のプレイに入るのです。
アヌスに手首を入れられたはいいが、そこがきつく締まってしまい、抜けなくなって救急車を呼ぶなんてことになっては目もあてられません。
私の脳裡をよぎったのはヴァギニズムの恐れだったのです。
(続く)
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