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▼ すあまにあ倶楽部 第17回 マニア倶楽部 【4】

文=抱枕すあま
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↑小道具の膿盆を置き、エキストラに動きを指導する杉浦氏。


モデルの「むかいねね」ちゃんは、小動物的な可愛らしさを持っている。愛玩動物に近い存在なのだ。抱きしめたら、うちの抱き枕の百合ちゃんと同じ大きさであった。しかも、抱き心地まで似ている。でも、そんな小さな身体のわりに、お弁当はモリモリと食べるのだ。そんな姿も、なんだか可愛らしい。ふと、ねねちゃんの脚を見たら、すねに擦りむいた傷跡があった。話を聞いたら、撮影前に駅の階段で転んでしまったという。こんなドジッ娘は、もう放っておけない。しかし、その一方で、杉浦氏の求めに応じ、自分で考えて演技をしている。それに、話をしていると、非常にしっかりとした大人の印象を受けた。私も、ねねちゃんで何か作品を撮りたくなってしまった。WEBスナイパー編集部のIさん。ねねちゃんを使って撮影をしませんか?

さてさて、杉浦氏の撮影に話を戻そう。撮影現場で感じたのは、杉浦氏の小道具へのこだわりである。そのシーンの中で、伝えたいことを印象付ける小道具を置いていくのだ。それも、ただ置くだけではない。カメラの画角を考え、その小道具が自然に溶け込むよう、位置を調整している。これが、杉浦氏のグラビアの魅力の一つとなっているのだ。

小道具といえば、通学カバンを開けてみて驚いた。中には何も入っていないと思っていたのだが、いろいろな物が入っていたのだ。しかし、なぜだか筆箱が3つも入っているのに、教科書が入っていなかったりする。しかも、墨で汚れていない筆が不自然に1本だけ入っているのだ。墨が付いていないということは、書道用ではないということ? ということは、筆を使って、あんなところやこんなところを撫でているのか? もう、ねねちゃんったら……。

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↑これが通学カバンの中身。変なところを取材するのが、『すあまにあ倶楽部』です。

杉浦氏は、セーラー服にもこだわりがある。今回の撮影での縛りは、すべて杉浦氏が行なっている。拘束具にいたっては、専用の道具箱を持っていて、ササッと現場で作製してしまうのだ。そして、縛るにしても、拘束具を使うにしても、杉浦氏は絶対にセーラー服の白線を隠したりしない。白線のないセーラー服なんて、コーヒーの入っていないクリープのようなものだ。そして、セーラー服のリボンやスカートの裾が乱れないよう、絶えず気を遣っている。セーラー服好きの私には、非常に嬉しい配慮である。

そして一番感心したのは、杉浦氏が絶えずねねちゃんの可愛い表情を追及していることである。ただ単に、眉間に皺を寄せているだけでは、ダメなのである。苦悶の表情の中に、可愛らしさを表現させたいのだ。その一瞬を狙い、杉浦氏はシャッターを切っていく。杉浦氏が撮影するモデルが、みな愛おしく思えるのは、こんなところにも秘密があったのだ。

ただ、そんな杉浦氏も、時には無理な要求をすることがある。ねねちゃんが放尿しているとき、こう叫んだのだ。

「おしっこ止めて!!」

女性に対しては、かなり無茶な要求である。しかし、この要求に応えてしまうねねちゃんは、プロだと思った。ちなみに、私が杉浦氏に言われたのは、「妊婦つくっといて!!」である。ひょっとすると、私は杉浦氏に妊婦作りの職人だと思われていたのかもしれない。


Special Thanks:杉浦則夫(杉浦則夫写真事務所)、赤マリモ(三和出版)


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