文=抱枕すあま

『首輪少女　中○三年生　まる』

価格：6000円（税込）
品番：DJ-005
メーカー：電人

す「おっ、これはよさそうな作品だね！　しかも、女優さんが山本まるちゃんじゃないですか！！　この女優さん、以前は村上てんという名前だったんだよ。ロリロリで可愛いんだよなぁ……。ところで、どこのメーカーが制作している作品なの？　うぐっ！？」

ＤＶＤを静かに棚に戻すすあま。その姿は、引退コンサートの最後に、マイクをステージに置いた山口百恵のようであった。

総「どうしたの？　買わないの？」

す「だって、これは小林電人さんの作品でしょ？　『ＷＥＢスナイパー』で『羞恥の教室』というタイトルの官能小説を書いている、あの電人さんでしょ？」

総「そうだけど。……それがどうしたの？」

す「なんか、知り合いが小金を稼いでいるのをみると、イヤな気分になりませんか？　しかも、自分のお金が電人さんに渡るかと考えると、なおさらですよ。たぶん、私のお金は、トイレットペーパーとか、トイレの水道代とかに使われるんですよ。ここで、もし私が電人さんのＤＶＤを買わなかったらどうなると思います？」

総「どうなるの？」

す「電人さんは、トイレでウンコしても、お尻を拭けないし、水も流せないんですよ！！」

総「性格悪すぎだよ……」

す「ぐへへへ〜〜っ」

総「なんでそんなに性格が歪んじゃったの？」

す「どこぞのエロＤＶＤ屋の総帥に、私の年収を鼻で笑われてからですよ！！」

総「ああ、そんなこともあったね。ごめんごめん。そういえば、ボーナスは出たの？」

す「私の心を、もうこれ以上、傷つけないでください……。ボーナスが出てたら、こんなお店に来てませんよ！！」

総「こ、こ、こんなお店って……」

す「トイレの話は冗談ですけど、知り合いが作ったＤＶＤとか小説でオナニーするのって、なんだか悔しくないですか？　誰にも知られたくない自分のエロのツボを、ピンポイントで突かれたり、自分が監督として撮りたいアイデアを先にやられたりすると、もの凄く悔しいですもん。なんか、私の中のクリエイターとしてのプライドが傷つくというか……」

総「だけど、すあま君が監督したのって、たったの１本だけじゃん。クリエイターでもないし。そういえば、あれからだよね。ライターさんとか異業種の人が映像作品を撮り始めたの。すあま君でも監督が務まるのをみんなが知ってからだよ」

す「それはいわない約束でしょ？　それに、電人さんとは、性癖がかなり似ているんですよ。羞恥責め好きなところとか、女優さんの好みとか。だから、電人さんも絶対に宮地奈々ちゃんのことが大好きだと思うんですよ。もし、電人さんが奈々ちゃんを狙っているライバルだとしたら、早めに潰しておかねば……」

総「今度、電人さんがお店に来た時にでも聞いておくよ」

す「えっ！？　ウンコした後、お尻を拭いたかどうかですか？」

↑秋葉原の『ＳｕｎＳｈｏｐ\x87U』には、小林電人さんのＤＶＤ特設コーナーがあります。なんか悔しいので、ＤＶＤをすべて裏返しにしてきました。や〜い！！

（※この記事は2008年にWEBスナイパーで掲載されたものを再録したものです）