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▼ 赤満幸猟奇譚 第3回 【白鶴の舞い】

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絵と文=大園喜八郎

秘密教団「赤満講」が、生け贄となった哀れな少女たちを使って荒ぶる神々を鎮める背徳と暴虐の歳時記。
ジャパニーズ・カルトの新境地!


【白鶴の舞い】

裸女(はだかめ)の 性器を的の 雪つぶて

では、ただ今から大接会(おおせちえ)の儀式に入ります。まずは、古式に則り腹包丁の神技をご覧にいれましょう。広間の中央に並べられた六台の大きなまな板の上に六匹の裸巫女が手足を注連縄(しめなわ)で緊縛され恐怖に慄いて居ります。金屏風を背に白装束の板前が大きな黒鯛を下げて現われました。そして右端のまな板に横たえられている少女の真っ白な腹の上に魚を載せ、包丁を振り上げて鯛の頭を叩き落します。続いて腹の上で、まだ尾びれを動かしている胴体を三枚に下ろし、さらに薄く切り刻んで美しく並べていきます。

こうして見事な刺し身の盛り付けが出来上がりました。続いて、海老や平目など数々の生魚が残り五匹の少女の腹の上で捌かれ、生娘の裸体を大皿に美しく飾られていきます。もっとも包丁が滑って横腹や乳房に刀傷が走り血を滴らせている可哀そうな女の子も居ります。皆様は、この少女の傷口にわさびを擦り込んで、激痛に泣き叫ぶ少女の生き血を紫に混ぜて、残酷な姫腹料理を味わって下さい。

ひととおり、お神酒が回ってきたところで、秘女飾りと門満穴飾りの三匹に全裸まな板の六匹を加えた九匹の中から、一番美しいと思う少女を選んで頂きましょう。番号札には鋭い針が付いていますから、直接女性の柔肌に刺し留めることが出来ます。腹の皮の上に突き刺すときと、終わって針を抜くとき、激しい痛みにどの娘も思わずオシッコを漏らしますが、一切下着を身につけることの許されない生け贄たちは泣いて我慢しなければならないのです。

さて、投票の結果上位の三匹が白鶴となって、哀れな裸踊りのヒロインに選ばれるのです。裏神道では美しいもの、清らかなものほど、痛めつけなければいけません。三匹は後ろ手に縛られた上、手頃な松の枝から片足吊りにぶら下げられます。そして少女のお満幸には、赤、青、黄の太くて長い蝋燭が捩じ込まれ、火が灯されます。同じく講中の皆様方も九人ずつ、赤青黄の三組に分かれて頂きます。

後は、自分の組と同じ色の蝋燭めがけて雪礫(つぶて)を投げ付けてもらいます。うまく、蝋燭に当たって抜け落ちれば「勝ち」ということになります。その代わり蝋燭の炎が消えたときは直ちに下に降ろして火を灯し、再び頭上高く引き上げて雪投げを続けなければなりません。降る雪の中で、真っ裸の美少女が、股間に捩じ込まれた蝋燭から滴り落ちる蝋涙の熱さに泣き、純白の柔肌に当たって砕ける雪礫の痛さに泣き、逆さ吊りの苦しさにのた打ち回るその姿を、「白鶴の舞い」と私たちは呼んでいます。

名前はたいへんに美しいのですが、生け贄の少女にとっては恐ろしい拷問ゲームでございます。とくに蝋燭が消えたときは、一挙にロープを弛めて真逆さまに積もる雪の中に上半身を叩き込まれます。雪が深いために怪我はしませんが、雪の中から飛び出した股間に挟まれた蝋燭に火がつけられ、勢いよく引き上げられたときは乳房から頭髪まで雪で真っ白になって震えています。

こうして蝋燭を叩き落とした順番に一位、二位、三位が決まります。一位の組の九人は上位三匹の女性を、二位は次点の三匹を、そして三位の九人は最下位の三匹とセックスを楽しんで頂くことになっています。さあ皆様庭へ出て、白鶴の舞いを眺めようではありませんか。

(続く)


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