魂の暗部を狙撃するSM情報ポータル SMスナイパー
▼ 読者投稿小説「熱い花蜜」【12】

作= 鬼堂茂


SM雑誌のグラビアに載っているモデルは高校生時代に憧れていた同級生だった!? 実在のモデルを元に妄想を膨らませて描いた投稿SM小説。久しぶりの対面、握った秘密、そして密かに育んできたサディスティックな願望......。危険な再会の果てに行き着くアブノーマルな愛の結末は如何に。『S&Mスナイパー』1984年4月号に掲載された作品を、再編集の上で全13回に分けてお届けしています。


【12】脅迫・3

「言うまで、こうしてやる」

竹野の瞳はギラギラと野獣のように光り輝いている。ライターの炎を大きくして、秋子からよく見えるように、ビーナスの丘に火炎を近づけていく。まだ生えかけの翳りが焦げて、煙といっしょに異臭を放つ。

秋子の瞳が恐怖に見開かれ、視線がライターの火炎に注がれる。悲鳴を肺から絞りだそうとするが、歯がガチガチ鳴るばかりで、どうしても声が出せない。さらには全身が小刻みに震え、ビーナスの丘の周りの皮膚がピクピク痙攣を繰り返す。

火炎が翳りといっしょにビーナスの丘まで炙ろうと揺らめいた時、秋子の太腿がピーンと硬直した。

「い、言う、言う......。何でも言う。何でもする......みんな、あっ、あげる......」

もはや発狂寸前の絶叫を上げ、秋子は谷間から小水を漏らした。シーツに世界地図を描く。

「汚ねえなあ」

そう言って、ビーナスの丘を舐めるようにライターの火炎を浴びせた。皮膚が焦げないまでも、耐え難い熱さが秋子を襲った。

細い体が感電したようにビリビリと震える。

「俺の言うことをきくか」

ライターの炎をビーナスの丘から遠ざけて竹野が言った。秋子は苦痛に歪んだ顔をガクガクさせて頷いた。
(続く)


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