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▼ 1980年8月号 「穿たれたアヌス」【5】

1980年8月号 「穿たれたアヌス」【5】


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投稿=宇田島博子(20歳)
絵=石神よしはる

1980年8月号 「穿たれたアヌス」【5】

お姉さまは、私のアヌスをじっと見つめ、コネコネといじくるのです!

●地獄と極楽

修道院のように戒律がきびしいのですが、ことに管理室長のK先生は私たちの言動をいつも監視しています。元高校教師で、四十歳になってもまだ独身の美人室長でした。

いつか遅刻して以来、私はこのK先生にマークされていたようです。ですからお姉さまとのプレイは、よほど注意してしないと危険な状態でした。

注意していたのですが、しかし入館半年目に私は班替えになりました。

お姉さまは十二階の125号室へいって十二班に、私たちの十一班に別の上級生が班長として就任しました。私の身辺は班長からもマークされ、お姉さまとはもう館内ではデートできません。

「元通りお姉さまといっしょにいたい……」

私が駄々をこねると、

「大丈夫、外で逢いましょう」

お姉さまは勇気づけたのでした。

あとでわかったのですが、私たちが引き裂かれたのはやはり別の新入生の妬み半分のつげ口だったのです。狭い会館の中ですからどんなに擬装をこらしても、誰と誰が親しいなんてのはすぐわかってしまいます。別に証拠を握られたわけではないのですが、やはり感づかれたのでしょう。

もちろん相手が男性でしたら、すぐ両親に知らされてたいへんですが、同性だけに大目には見てくれます。

じっさい私たちのほかにもレズ関係の学生は幾組もあって、騒ぎだしたら収拾がつかなくなるからです。

新しく就任した班長はK大法学部三年の先輩でしたが、

「親しくなるのでしたら外の世界でね」

意味深長にそういったものでした。

内と外、私たちのMハイツは高さ二メートルの塀に囲まれており、この内と外ではまったく住む世界が違うのです。内は禁酒・禁煙・禁男の修道院か刑務所なみ、外は自由奔放に振るまえる天地です。地獄と極楽、そんな対比さえできるかも知れません。

私とお姉さまのデートは、そこで外でやるほかなくなりました。


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