作= Hibi Seiichi
【4】始まった女体講義
渋沢は宏の父が大金を積んで来てもらった家庭教師であった。大金を積んだのは、宏が塾から帰ってきた後で、午前零時から三時までの特殊な時間に勉強を見てもらうためだ。
暗い男だが、渋沢の教え方は上手で、もともと成績のよい宏の中学校での順位が短期間でグンと上がったので、よい家庭教師にめぐりあったものだと和子は喜んでいたものだ。
その渋沢が宏の目の前で和子を犯そうとしている。今まで本性を隠して自分達をあざむいてきたのだ――和子はそう思った。
「ひどい奴を雇ってしまった、そんな顔をしてるな二人とも。はは、確かに俺はひどい奴だよ」
そう言って渋沢は乱暴にブラウスの前をはだけ、叫び声を上げて身をよじった和子の頬をビシリッと平手で殴りつけた。
「ひいっ......やめてえ!」
驚きと痛さに叫び声を噴き上げた和子は、殴りつけられた恐怖のために、美しい顔を暗く歪めた。
「やめて下さい、殴るなんて酷いじゃないですか!」
宏が噛みつきそうな顔で叫んだ。
「さて宏......いつも受験のためにつまらない勉強をしているから、今夜は女の体についての講義をしてやろうじゃないか」
渋沢は興奮をかくせないらしく、少しうわずった声で言ってから、母親の四つん這いの姿を目の前にして、泣きそうな顔で体を震わせている宏の襟首を掴み、和子の突き出されたヒップの前に顔を突きつけた。
「いやあ......」
和子はあまりの恥ずかしさに身をくねらせた。
(続く)
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