告白=栗栖宏二仮名)
溢れた花蜜
「痒いだろう。よく効く秘薬だからな。もう少し脚を開けば、おれの指で痒い部分を存分に撫でてやるよ」
薬液の効きめは、確かにかなりのものだった。
男の舌と指で充分に官能を高められていただけに、気も狂わんばかりの痒みが、身体の芯を貫いているのだった。それでも母は、男の言葉にあらがうように腰をいっそう激しく揺すり、男の指を振りほどこうとした。
「そうかい。じゃあ、勝手にするがいい」
男は、わざと邪険に母の身体から離れると、一歩離れた距離で、しばらく母の様子をじっと見守っていた。眼を閉じ、眉をしかめ、母は耐えた。
しかし、下腹から突き上げる妖しい官能はいやがうえにも高まり、母の意志とは裏腹に太股は卑猥に捩り合わされ、やがて甘美な呻きすら洩れ始め、とうとう母は救いを求めるように男を見つめた。その眼には、すでに艶めかしい輝きが滲んでいた。
男は再び母にすり寄り、切なく喘ぐ母の耳元に口を近づけ、勝ち誇ったように言った。
「脚を開いてみな」
母は男の言うなりに、ぐいと脚を開いた。
そのわずかな太股の隙間に、間髪を入れず男の手首までが入り込む。節くれだった指が母の身体の奥深く差し込まれた。柔らかい肉襞の一枚一枚にまですりこむように、男は指を動かし、深く突いてはすっと抜き、抜いては突きあげる。そのたびに溢れる花蜜がびちびちと音をたてた。
母は、すでに身も心も男の手管に酔い痺れていた。男の指先は、実に巧みに花芯をいたぶり、花弁を撫でさすり、固く尖った乳首をもてあそんだ。すでに猿轡は解かれ、男の唇が母の舌を吸い、母も男の舌を吸いかえした。くびれた腰が大きく喘ぎ、妖しく揺れ動いた。一本、二本と差し込まれた指に花襞が絡まり、母はすでに絶頂を極めようとしていた。
その全身が、激しい快美感の中で、今まさに大きく痙攣しようとした時、男は不意に母の身体から身を離した。
「ああ」
すがるように、母の眼が男を追った。母の腰が、男の指を求めてくなくなと揺れた。
(続く)
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