告白=栗栖宏二仮名)
硬直した一物
男は、いったんぼくから離れると、先程、さんざん母をいたぶった例のクリームを取り出した。
ぼくの足首のロープを解き、両脚を一気に大きく割り拡げると、垂れ下がる二つの球魂の、さらに背後の小さな窪みに、そのクリームをすり込みはじめた。ぐっとすぼまる後ろの門を、秘薬のついた男の指が巧みに揉みしだき、今まで一度も味わったことのない不思議な感覚がぼくの下腹をとらえた。
指先が軽く後ろの門に入るだけで、ついさっきまで力なく萎えていた肉魂にたちまち生気が蘇り、直接そこをせめられるのとはまた別の、快美な感覚が湧きおこった。
男の指は、最初はその周辺部をぐるぐると撫でまわし、時おり軽く入り込んだ。やがて指先が徐々に体内深く入り込んでくるようになると、ある種の熱気が内壁を火照らせ、さらに母が味わっただろう異様なむず痒さが、ぼくの下腹内の奥深くに拡がっていった。
体内で男の指が巧みに蠢くだけで、疼くような甘い感覚に半ばとろけそうになるのに、その上、薬液のせいでぼくはすでに気も狂わんばかりになっていた。縛られた両手を握りしめ、むきだしの下半身をのたうたせ、痒みとも欲情ともつかぬものに激しく苛まれた。
身悶えるぼくを見下ろしながら、男はゆっくりと着衣を脱ぎ去り、外見からは思いもつかぬほどに逞しく怒り立った肉魂を、のたうつぼくの下半身にぐいと喰い込ませた。
「あっ」
鋭い痛みが走り、体が裂ける錯覚をおぼえた。下腹から火柱が噴きあげ、背筋をたどり、頭頂まで一気に貫いた。
しかしそれも、すぐに別の感覚が押し流してしまった。ゆっくりと前後する固い一物が、昂まりきったぼくの下半身を巧みに責めたて、ぼくは火を噴く欲情に気も狂わんばかりになっていた。
(続く)
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