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▼ 読者投稿小説「下町銭湯で結ばれた痔持ちの愛」【7】

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投稿者=匿名希望


銭湯の番台に座っていた主(あるじ)はふと、一人の女性客が痔持ちであること気づく。自分も痔持ちであることから哀れに思って彼女を観察するようになった彼は、次第にその女性に惹かれていく。痔持ち同士が運命に導かれるように出会い、たどり着いた場所とは……。『S&Mスナイパー』1979年10月号に掲載された読者投稿小説を、再編集の上で全7回に分けてお届けしています。


【7】今も一線を越えることなく

「あぁ、ちょうだい、ちょうだい!」
「いけない、文子、それだけは! それだけは!」

自分でも劣情に押し流されそうになっていた私は、思わず平手で彼女の尻たぶを引っ叩いていました。

「あぁーッ!」

その途端、思わぬ出来事が起きました。文子さんが絶叫を迸らせて失神してしまったのです。

「ちがうの、痛くて気を失ったんじゃないの、よかったのよ、すごく……こんな感じ、主人との時もなかったわ……」

数分が経って気がついてから、彼女はそう言って私に満足そうな笑みを向けました。

当然のことではありますが、私にとってもこんなことは初めてです。よほど私と文子さんの相性がよかったのだろう、そう思う以外にありませんでした。

それからというもの、私たちは手をかえ品をかえ、いろいろな実験を楽しむようになりました。お尻の他に胸を叩いてみたり、ワキ毛を伸ばしておいて1本1本抜いてみたり。その度に文子さんは心の底からの感動の声を聞かせてくれました。

もちろん、最後の一線だけは絶対に越えないようにと気をつけておりますが、今の私は、文子さんのことをご主人以上に知っているつもりです。痔のほうはあいかわらず……しかし、忘れかけていた男としての喜びが返ってきた以上、大した苦にはならなくなったというのが実情です。
(了)


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