投稿者=青山美紀子
【8】アナルを穿つプレゼント
「だから治さないといけないよな」
「......」
「治してやるよ、そのほうが美紀子のためだ」
「治すって、どうするんです......」
私は恐ろしい予感に顔を引き攣らせながら言いました。
「決まってるじゃねえか。便秘を治す方法は昔も今もひとつしかねえんだよ」
「ひとつ......」
「そうだ、わかってるんだろ」
彼は楽しそうに下唇をめくるように突きだし、「フフフ......」と笑い声を漏らしながら私のお尻を撫でまわしました。
「や、やめてください......」
私は慌てて自分のお尻を彼から遠ざけました。言葉にこそ出しませんでしたが、鈍い私にも彼の言わんとしていることがわかっていたのです。
「そんなわけにいかんよ。どうしても治さないとな......」
「お願い、それだけは......」
私は彼の密生した胸毛の中へ顔を埋めて頼みました。私は必死でした。それだけはどんなことがあってもイヤ......。けれど、私は同時に自分が彼に逆らうことなどもうできないだろうということも感じていたのでした。
それから四日後、ホノルル-ロスアンゼルスのフライトから成田に戻ったとき、桂木は私に小さな紙袋をくれました。
「開けてみなよ」
「なんですの」
桂木が私に贈り物をくれるなんて久しぶりのことでしたから、私は束の間、舞い上がりました。ヤクザというのは、最初はやたらとプレゼント攻勢をかけてきますが、いったん釣りあげた魚には、まず餌はくれないものです。
(続く)
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