私は多情な悦虐人形 第3回【2】
私は多情な悦虐人形 第3回【2】
田上さんは私のお尻の方から手を差入れて秘所をまさぐるのです。
●着物姿で縛られて
そのクラブでいつも私を指名してくださる田上さんと関係を持つようになってしまったのです。
田上さんはある大きな建築会社の社長さんで、そのときはもう六十歳をいくつか越えていました。
「ワシはなア、裸一貫でこの身上を築いたんじゃよ」
って言うのがログセで、それはもう働きに働いて鍛えあげられたのでしょう、とても六十歳を過ぎたなんて思えないほどたくましくて若々しいんです。
田上さんは植木さんに輪をかけたように、全てに対して強引な人なのです。
初めて田上さんに誘われたのは、クラブがはねてお食事をご一緒したときです。
お寿司屋さんで、ほかにもお客さんがいたのですけど、
「おい、加代(私は本名でクラブに出ていました)ワシはきょうお前を抱くことに決めたぞ。そうだなア、あのPホテルがいい」
辺りかまわず大きな声で言ったのです。
田上さんにいつも影のようにつきそっている社長室のGさんは、そんな場面によく出会うのか、別に困った様子を見せるのでもなく、
「では、社長、私はこれで失礼します……」
と、早々と帰ってしまったのには、私も驚いてしまいました。
そのころ、銀行の植木さんにさまざまな性の方式を教えられていた私は、自分でさえ戸惑うほど敏感なからだになっていました。
お寿司屋さんで田上さんに誘われただけで、私はからだの芯がとろけるような感覚につつまれてしまったのです。
それまで私は植木さん以外の男の人と関係を持った事はありませんでした。
もちろん、何度も誘われた事はありました。
でも、いつものように私が生返事をくりかえしていると、みんなあきらめてしまうのです。
前にも書いたように、私の生返事はイヤだからなのではないのです。
私は力いっぱい引っぱられないとついていけない女だということを、わからないんですね、みなさん……。
Pホテルでの田上さんは、私をセックスの対称としてよりも、オモチャのようにかわいがってくれました。
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