ベージュ色の襞の欲望 第3回【2】
ベージュ色の襞の欲望 第3回【2】
成男は些細な事で激情し、冷酷非情の行動をとった。
●性交時の首締め
男は腰を使いながら、両の手で巧みに乳房を弄んでいた。時子は、成男がまだ一度も聞いたことのない調子の声で、快感を肯定する言葉を吐いていた。
成男はこの時まで、時子を母親のように考えていた。時子も、成男のことを母親のいないかわいそうな子と同情しているのか、よく可愛がってくれていた。
母親と思っていた時子の性交の姿は、成男には衝撃の強すぎる光景であった。
金縛りにあったように、隙間から二人の獣のような姿勢を見つづけていた成男は更に激しい衝撃を覚えた。男は時子の首を両方の手で締め出したのだった。
「殺される!」
だが、男の首締めは30秒ほどで終わった。二人はやがて、「ああっ」とか「いく」とかの言葉を発した後、折り重なるようになって静かに、動かなくなった。
それから2〜3分もたった頃であろうか。時子が、「よかったわ」と男に言うのが聞こえた。
何! あれがよかったのか。
成男の頭の中はがんがんと音をたてて、今にも壊れるのではないかと思うほど血が騒いでいた。
これが成男が性交を見た初めての時であり、又、性交時の首締めを見た初めての時であった。
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