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0302当世マゾヒスト列伝

マゾヒストとして生きる道を選択した男たちの物語 M男性におくる珠玉の電脳活字ワールド

聖水拝受に人生をかける「シッコスキー」さんの巻 第3回
10.27 14:30更新

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文●松沢呉一
TextbyMatsuzawaKureichi

人間10人いれば、その風貌も性格も10通りあるように、一口にM男性といってもそのSM観、M嗜好は千差万別。マゾヒストとしてそれぞれが様々な思いを持ち、SMプレイにその人生の一部(あるいは全部?)を捧げている。
今回この連載にご登場願った「シッコスキー」さんは、SM愛好家ではない。Mプレイに対しては嗜好も興味もない男性である。彼が求めるものはただ一つ、女性のオシッコを飲むこと。ただ、彼の場合、SM雑誌がそのきっかけを担っていたという。

★オシッコ飲みは精神的な快楽

しかし、彼女が店を辞めてしまったことで蜜月は終わった。

「そりゃあ悲しかったですよ。でも、彼女と出会えたことで、SMクラブに行く勇気が出たんです。一からソープで相手を探し直すのが大変だということもあったし、こぼさずに全部飲み干す自信ができたので、SMクラブでも怒られることはないだろうってことですね。もちろん経験がなくたって、SMクラブで怒られたりはしないんですけど、あとになってわかったことで、あの当時はそんなことさえわかりませんでしたから」

こうして今度はソープ通いからSMクラブ通いが始まる。

「SMクラブに行っても、やっぱり僕はオシッコにしか興味がない。よく言われましたよ、『オシッコを飲むだけでいいの?』って。向こうが心配になっちゃうみたいですね。でも、それでいいんですよ。ムチとかロウソクなんてやってみたいと思ったこともないから、やられたら迷惑です。ヌイてくれるならもちろんそれもありですけど、なくても全然かまわない。それがわかると、『こんな楽な客はいない』ということになる」

オシッコ好きな人たちでも細かく流派は別れるだろうが、シッコスキーさんにとってのオシッコは性的なものでさえない。

「飲みながら勃起する人も多いみたいですけど、僕には性的興奮はない。純粋に精神的な快楽です。エッチが嫌いとかじゃないですけど、今は興味がないです。射精だったら自分でもできるじゃないですか。でも、女の子のオシッコを飲むには相手が必要ですから」

相手がいて初めて成立するセックスがオナニーで代用可能と言っていいのなら、オシッコも自分のを飲めばいいって話なんだが、ここであんまり厳密な論理を求めても意味はない。端的に言えばセックスよりもオシッコが好きってことだ。

第4回に続く(「スナイパーEVE」vol.6より再録/2002年8月頃取材)





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