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人間10人いれば、その風貌も性格も10通りあるように、一口にM男性といってもそのSM観、M嗜好は千差万別。マゾヒストとしてそれぞれが様々な思いを持ち、SMプレイにその人生の一部(あるいは全部?)を捧げている。
今回のゲストは、少年時代に見た西部劇に影響を受け、人間馬になることを夢見続けてきた「馬之介」さん。自作の拘束具などを披露してもらいながら、氏のSM人生について熱く語ったいただきました。 |
★新風営法実施でSM界に転機が ――海外だと、屋外でポニープレイをやったりしてますよね。 「やってますね。僕も屋外でやりたいんですけど、やる場所がないですから」 ――それと、人数がたくさんいた方が面白いんじゃないですか。 「そうなんです。人数がいると、競争するとかできますよね。自分なりに面白いことを考えてあるんですけど、なかなか実現できない。毎年9月にチェコでワールドチャンピオンシップという大会があるんですよ。いつか行きたいと思っているんですけどね。サンフランシスコでもそういう催しがあって、行きたいんだけど、今は仕事が忙しくて」 といったように、最初のスカトロ体験を除けば、順風満帆にM道を疾駆してきたように見える馬之介さんだが、人生には起伏がつきものである。 「大きな転換期になったのは、新風営法が実施された頃です」 1980年代半ばのことだ。 「あの頃から、大きくSMクラブは変わってしまったんですね。それまで客はマニアしかいなかったのが、いろんな人が入り込めるようになってきて、それに伴って女の子たちも変わった。今までの女性たちはいなくなっちゃったんです。そうすると、僕みたいな人間はつまらないんですよ。『もうSMはやめよう』と決意して、馬具を含めてSMの道具はすべて捨てたことがあります。でも、3カ月しかもたなかった(笑)」 高校の時にM男デビューして以来今までに、3カ月もSMから離れたのはこの時だけ。本人にとっては3カ月でも、ものすごいことなのだ。 第6回に続く(「スナイパーEVE」vol.2より再録/2001年8月頃取材) |
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