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人間10人いれば、その風貌も性格も10通りあるように、一口にM男性といってもそのSM観、M嗜好は千差万別。マゾヒストとしてそれぞれが様々な思いを持ち、SMプレイにその人生の一部(あるいは全部?)を捧げている。
今回のゲストは、少年時代に見た西部劇に影響を受け、人間馬になることを夢見続けてきた「馬之介」さん。自作の拘束具などを披露してもらいながら、氏のSM人生について熱く語ったいただきました。 |
★自分好みの女王様に育てる 「それからは、クラブに行っても、最初の2回はプレイしない。話すだけです。2回で3時間くらい話して、プレイしてもよさそうだなって思ったら、3回目に初めてやる。お互いのことがわからないと、いいプレイはできないと思う。そういう方法にしてからは、また面白いプレイができるようになった。もちろん、話だけで終わったこともありますよ。プレイに行き着く人より、その方が多い」 ここまでやらなければならないほどに、馬之介さんにとっては変質したSMシーンに苛立ちが強まっていたということだが、このあとさらにSMブームが到来して、馬之介さんの理想とはかけ離れる一方だ。 「でも、初心者の女性の中には、すごくSMに興味がある人っているじゃないですか。逆調教って言いますかね、そういう人を自分に合った女王様にするのが一時期面白くてね。そういう人はSMの面白さを理解するようになると、仕事でやってられなくなる。いくら仕事だと割り切ってやっていても、葛藤が生まれてくる。そこで仕事は仕事でやって、プレイはプレイで外でやるようになるんですよね。あとはどこかの飲み屋で知り合ったりした女性に目をつけて、女王様にしたり。もちろん失敗したこともありますよ。『そこまでは踏み切れない』って」 ――もちろん、馬になってそういう人達にも乗ってもらって。 「そうですね。僕はブーツが好きなので、ブーツを買ってあげたり、コスチュームを買ってあげたりして、お金がかかるんですよ。全部合わせると、SMに1億くらいは使っているでしょう。多い時は、月に100万とか使ってましたから。僕ももったいないと思うけど、これはしょうがないですよね」 月に100万使えるからには、相当の収入がなければならない。ここまで極めるには、社会人としてもしっかりしていなければならないのである。 「妻は全然知らない。妻とのセックスは子供を作るためだけのものです。会社でも知らない。前に取り引き先の人が『この間、SMクラブに行ったんだよ』って言うんですよ。『へえ、SMクラブってどんなとこ?』って聞いたら、『怖いところでさ、SがいいかMがいいかって聞かれて、どうしていいかわからないから、Mをやったんだ。ひっぱたかれて、なにすんだって言って出てきた』って言うから、『よくそんな怖いところに行ったね』って、アハハハ。SMクラブってそのくらい誰でも行けるところになったんですよね」 最終回に続く(「スナイパーEVE」vol.2より再録/2001年8月頃取材) |
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