文●松沢呉一
TextbyMatsuzawaKureichi

★ｵｼｯｺを通した出会い

――同好の士に会ったのはﾊﾟｰﾃｨが初めてですか?

｢そうですよ。SMｸﾗﾌﾞでは話は聞いても、会うことはできないですからね。でも、最初はﾊﾟｰﾃｨで同じ趣味の人と会うのはｲﾔでしたね。だって自分がたくさん飲みたいのにﾊﾟｲが減るじゃないですか(笑)｣

――ﾏﾆｱさんの中には同じ趣味を持つ人と知り合いたいとか、存在を確認したいという人も多いじゃないですか。

｢それはなかった。だって、その頃にはもう自分のしたいことをできているんだから。できてなかったら、同じ趣味の人と知り合って、どうやったら飲めるのかを話したりしたかったかもしれませんけどね｣

ここ最近の現象としてはﾈｯﾄによる出会いが可能になったことも挙げられる。ｼｯｺｽｷｰさんも、ﾈｯﾄで仲間を見つけ、相手も見つけている。

｢ただ、ﾈｯﾄは信用できないんですよ。すっぽかされることが多かったり、いざ会ったらﾄﾄﾞみたいだったり。ある時、直飲みをさせてくれるという子がいて会ったんですよ。でも、ﾊﾟﾝﾃｨを脱いだら、その下に網ﾀｲﾂをはいていて、それでｵｼｯｺをするんですよ。ｼｬﾜｰみたいなもんで、飲めないじゃないですか｣

彼女はｵｼｯｺﾌﾟﾚｲというのはかけるものとしか思っておらず、派手に飛び散るように、よかれと思ってそうしたのだろう。

｢もちろんいい出会いもありますよ。名古屋の人で、結婚しているんだけど、ｵｼｯｺを飲ませてくれるというので、名古屋まで会いに行ったんですよ。彼女はｵｼｯｺを飲ませたいというより、なめて欲しいんだけど、夫はあまりしてくれないというので、ｵｼｯｺを飲ませてもらったあと、ﾍﾟﾛﾍﾟﾛしてあげたら放心状態になっていた。誰にもやらせてないことをさせてくれたり、誰にも見せられない状態を自分に晒してくれるというのが嬉しいんですよね。ｵｼｯｺが好きというよりも、それが僕は好きなんだと思うんです。女王様にもよく言われるんだけど、結局、入り口が違うだけで、その達成感はSMときっと同じなんだと思います｣

――ただ、入り口は人によって決定的に違うわけで、どうしてｵｼｯｺなのか、自分で思い当たるところはあります?

｢たぶん幼い頃の経験とかで、何かあるとは思うんですけど、記憶にはないです。たぶん覚えていないくらい小さい頃の体験だったりするんでしょうね｣

最終回に続く(｢ｽﾅｲﾊﾟｰEVE｣vol.6より再録/2002年8月頃取材)