監督:カンパニー松尾
発売日:2011年7月23日
品番:HMGL-059
収録時間:130分
定価:3990円(税込)
メーカー:HMJM
文=安田理央
かつて原千尋として単体ながらハードなプレイもこなし、活躍していた原千尋が今年になって、愛咲れいらの名前で復活。
いやぁ、いい女です。脚なんかもスラっとしてて、ちょっと水っぽいところもあって、キャバクラでナンバーワンって感じですか。
そんなれいらをカンパニー松尾がいつものようにハメ撮りしたのは、あの地震から1カ月後の4月19日。まだ、街はざわついた空気が残っていて、2人が入ったホテルの部屋から見える東京タワーの尖端は曲がっています。
ポツリ、ポツリとれいらの語る半生は、ヘヴィなものです。だまされて、流されて。
東京のホテルでのハメ撮りは、もはや名人芸といいたくなるカン松のテクニックが光ります。そして絶品といいたくなるようなれいらのボディと表情。
「入ってるの丸見えだよ、いやらしい」
カン松の言葉責めに激しく反応するれいら。文句のつけようもない、卑猥で生々しいセックスです。
しかし後半、仙台出身のれいらが「親友に会いたい」とつぶやいたことから作品は大きく動き出します。カン松とれいらは仙台へ向かうのです。
仙台市内から車で海へ向かうと、市街が突然、という感じでなくなります。いきなり、ニュースでみたあの荒涼たる光景が広がります。れいらが住んでいたところを探しますが、もはや街は当時の面影を全く残していませんでした。
その光景を前にしゃがみこみ、いつまでもお祈りをしているれいらの後ろ姿を、カン松のカメラがとらえます。
そして青春の思い出だったという海も当然のことながら変貌していました。
2人は仙台市内に戻り、ラブホテルへ。仙台についてからのれいらは、様子がおかしくなっていました。感情の浮き沈みが激しいのです。ふるさとのあんな光景を目の当たりにすれば、仕方のないことでしょう。
この後はじまるセックスでのれいらは、剥き出しでした。東京でのセックスが愛咲れいらとして、「いい仕事」(リアルさ、生々しさも含めて)を見せてくれていたとしたら、こっちは、彼女の本名でのセックスのようでした。
ハメながらカン松は「理想の女っぽい」「いい女の代表だ」などと、れいらを肯定する言葉を並べます。ハメられながら、泣き出すれいら。
「つらいことばっかりだったね」と声をかけるカン松。抱きつくれいら。
ここだけ、取り出して書くと、なんだか女を食い物にする男の常套手段みたいな感じですね。でも、そこまで女を受け止めていながらも、それ以上には踏み込まないのもカン松なのです。そして、れいらも、それ以上カン松にしがみつきません。
撮影が終わると、2人は意外なほどあっさりと別れ、れいらは仙台の夜の街に消えていきます。
ウエットに見えて、どこか突き放したようなドライさがあるのがカンパニー松尾なんですよね。だから彼を信じられるのですが。
そういえば、12年前の阪神大震災の時も、カン松の盟友、バクシーシ山下が被災地に飛んで、「18歳 中退してから」(V&Rプランニング)という傑作を撮っております。本作と見比べてみると、また面白いかもしれないですね。
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