監督：二村ヒトシ
発売日：2012年10月19日
品番： mdpw001
収録時間：214分
定価：6090円（税込）
メーカー：MotheRs

文＝遠藤遊佐

"快楽"という名の真実をめぐり男と女が迷走を続ける時代。
巷ではM性感や男性向けアロマエステなどの受け身型風俗にハマる男が続出し、また一方では女性向け風俗やバイブに手を出す女性も増えていた。まさにこの世はヴァーチャルセックスの楽園である。
そんな中、東日本を牛耳る男性向け受け身風俗"ゴッドマザーズグループ"と西日本を牛耳る女性向けエロサービス"ポルチオパワーズグループ"の精力争いが勃発していた――。

そんな「え、5年後には本当にこうなってるんじゃないの？」って設定の元、極上の痴女たちが男に拷問スレスレの快楽を与えるというなんとも面白い一本。
いつも思うことだけど、マザーズの痴女作品は目指すところがはっきりしていてイイんですよね。
男だけどセックスのときくらいは見栄もプライドも捨てて女のように思い切りイキまくりたい！　可愛がられたい......！という殿方はけっこう多いはず。そんな欲望をガッツリ満たしてくれる稀有なメーカーなんじゃないでしょうか。
そしてさらに面白いことに、実はこの作品はこれまでに3本がリリースされているシリーズ物で"ゴッドマザーズ"側の目線の物語はマザーズから、"ポルチオパワーズ"側の物語をベイビーエンターテイメントからと交互に作られているんだとか。
つまり、マザーズ作品を買ってもよし、ベイビー作品を買ってもよし、そしてもちろん両方買って物語全体の世界観を堪能するもよしってわけ。
女（しかもエゴマゾ体質）の私は男性のイキまくる姿ってシンクロしづらいものがあるんですが、こういう遊び心にはグッときちゃいます。

シリーズ一作目である本作に登場するのは、3人の凄腕痴女たち。
まずオープニングはゴッドマザーズ所属の人気エステティシャン・北川エリカと結城みさによる二輪車スペシャルコース。
このお店は乳首・アナル責め中心のM性感マッサージらしく、本番はナシ。白いブラウスに黒ミニスカというお仕事感たっぷりの制服姿で、マグロのように寝っ転がったM男を2人がかりで責め立てる。特に、オイルを乳首に垂らしつつもなかなか触らない焦らし責めは、見ているだけでムズムズしてきます。
耳元で「もう乳首が女の子みたいになってるわよ」なんて囁きながらマッサージしていたかと思ったら、どんどんエスカレートして最後は四つん這いにさせてパイパンにしたイチモツを弄ぶ。尿道を刺激したり、アナルに指突っ込んだりというプレイも、大の男が「おおっ、あはあぁっ！！！」と大声をあげて絶頂する姿も、他ではなかなかお目にかかれません。

そしてここで事件が勃発。深夜一人で出張サービスに出かけたエリカが客に襲われて、逆に男性客を返り討ちにしてしまうんですね。

グループの上級幹部である真咲南朋が「きっと偽名で予約を入れて仕返しにくるはず」と言ったとおり、後半は仕返しに来た男性客をエリカ、みさ、南朋の三人で完膚なきまでにイキまくらせるという展開になっています。
マザーズ作品ではおなじみの三人が揃っての快楽拷問ですから、これはもう言うまでもないパワー。
「男にブッ刺されていうこときかない女なんていないんだよ！」と威勢がいい客を施術台にくくりつけ「この乳首に謝ってもらおうかしら！」とピンセットで乳首の毛を抜いたり、馬乗りになってペニバンをしゃぶらせたり。最後にはベイビーエンターテイメントの十八番であるドリルバイブまで持ち出し、ちんぐり騎乗位でヒイヒイ言わせちゃう。

これ、もうおしおきじゃなくてサービスですよねえ......なんてったって美女3人に責めてもらえるんですもん。
たぶん、これをきっかけに"ポルチオパワーズ"と"ゴッドマザーズ"の争いが火を吹く......って展開になっていくんでしょう。

しかし、実を言うと本作の中で一番興奮したのは、ストーリーの間に挟まれた結城みさのプライベートプレイ。
森原人を相手に『戦慄のマルチプルオーガズム研究所5』で見せたような男責めセックスを披露してくれるんですが、乳首やアナルを責めて男を子供のようにしてしまうくだりは、この手のプレイにあんまり興味がない私もちょっと身体が熱くなりました。
最終的には男がピストンするものの、イッた後までしつこくアナルを掘られて「あぁぁぁ～ッ！」て絶叫するシーンはすごい。森原人みたいなデカチンマッチョのベテラン男優でも、こんなふうに感じたいと思ってるんですねえ。

女をイキまくらせるベイビー作品と、男をイキまくらせるマザーズ作品。
一見逆のように思えるけれど、強くて貪欲な痴女たちを観ていたら、もしかしたら根っこのところは同じなのかもしれないなあと思いました。