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▼ 特選AVレビュー『新版・惨鬼のいけにえ1(アートビデオ)』
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監督:村上RYUJI
発売日:2011年1月27日
品番:ADV-VSR0439
収録時間:80分(DVD) 
定価:5,040円(税込)
メーカー:アートビデオ

文=遠藤遊佐


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うーん、ハードボイルド! この一言に尽きますねえ。
ハードSMは専門外の私ですが、ドラマとプレイの両方をこれだけ丁寧にねっとり作られたら、もうぐうの音も出ません。好きな人にはたまらないだろうなあ。さすがアートビデオ、老舗の底力を感じます。

ストーリーは、会社の命令で裏金を作ったものの、トカゲのしっぽ切りにあってしまった経理課長の復讐劇。自分を陥れる片棒を担いだ美人秘書(白川なつみ)をSMで凌辱してやると決心し、ねちねちと計画を実行していきます。
オープニングは男がなつみを調教するためのアジトを物色するシーンなんですが、もうここからムードたっぷり。コートをひっかけた初老の小男、古い木造家屋、淡々と語られるモノローグ。いやあ、シビれますねえ。

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カメラワークやセリフはもちろんですけど、なんといっても素晴らしいのが復讐鬼役の甲斐太郎。ベテランだけあって演技はうまいし、皺の一本一本に年輪が刻みこまれたような顔もいい。この手の作品は男優がしっかりしてないとダメってことをつくづく感じさせてくれます。
AVは女優が命、男優なんてチンコだけ出しときゃいいなんてことを言う人もいますが、ことSM調教に関しては別。最初から最後まで男と女の2人きり。おまけに女は「うー」とか「いや、やめてぇ!」とかしか言わないわけですから、どうしたって責める側の力量というか、ダンディズムがモノを言うんですよね。

責められる側の白川なつみは、スタイルが良くて小綺麗で、でもあまり表情がない人形みたいなタイプ。そんなお高い女が、鼻毛が半分飛び出したような初老の小男に責められ、すすり泣き、ついには陥落する。ほら、グッときませんか。この絶妙なカップリング! 
ギャップがいいんです。もしこれが男もインパクトの薄いタイプだったら、いくらハードなプレイでもどこか気の抜けた感じになってしまうはず。

復讐鬼に睡眠薬入りのコーヒーを飲まされて眠ってしまったなつみは、縄でぐるぐる巻きにされトランクに詰められてアジトの古い一軒家に運ばれます。

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ここから始まるSMプレイが、またもやガチ。特にジャパニーズSMの華である緊縛と蝋燭の緻密さ・美しさは、一味違うとうならずにいられません。

股を開かせた恥ずかしい格好でガッツリ縛り上げるんですが、ビラビラを洗濯ばさみで挟んで固定したり、あえてパンティを脱がせず縄で半見えくらいの状態に吊ったり、どうやって縛ってるんだかわかりませんが、まー細かいのなんの。まさしく匠の技。
そこまできっちり美しく固定したうえで、ピンクのアソコをバイブでズボズボえぐり、美人秘書を絶頂させます。

蝋燭責めも、血のようにどす赤いやつを肌にくっつきそうなくらい近づけて、丁寧にタラリタラリ。手足から喉元まで、体中にバーコードみたいな美しい縞模様をつけて満足そうにしている様子は、まるで作品を作る芸術家のよう。
もちろん普通の蝋燭責めとは比べ物にならないくらい熱いはず。でも「あついよぅ〜、もう許してえぇ……!」と懇願する女の表情は、さっきまでの能面みたいな顔とはうってかわって人間らしく愛らしかったりするわけです。

プレイの最後、すっかり調教されてしまった美人秘書が初老の小男に犯され、黄ばんだザーメンをお掃除フェラするシーンは、ちょっとしたカタルシスを感じてしまいました。


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