文＝安田理央

不況のため、会社からリストラされそうになっている男。依願退職という形にするために、社長は彼を他の社員から疎外させ、追い込んでいく。しかし、男は怒りを爆発させるのだった……。

冒頭の主役の男が追い込まれていく様を、きっちりとしたカット割りで描き、しかも演じるのは名優・甲斐太郎。このままドラマや映画にも出来そうな完成度です。

でも、これはAV。突如、意味もなく男は終業後のオフィスに残っていたOL(平井小雪)に襲いかかります。テーブルに縛りつけて全身を嬲り、そしてローソク責め。

「あんたもおれも悪くないんだよ。みんな社長のせいだ」

そう何度もつぶやきますが、意味なくSM責めにあっているOLにとっては、ただの災難ですね。

しかし、平井小雪さん、すごい絶叫ぶりです。最初から最後まで叫びっぱなし。よく体力あるなぁと感心してしまうほど。

特にローソク責めの時はすごいですね。

「熱い!　熱い!　助けて!　助けて!」と叫びまくったあげくに失禁までしてしまうのでした。

そして、乱暴にズボズボ出し入れされちゃうバイブ責めでも、これまたすごいイキっぷりを見せてくれます。責めがいがあるというか、とにかく派手な反応をしてくれる人なんですね。涙と涎、鼻水もダラダラ流してますし。

さらに、アートビデオではおなじみの巨大な板首枷に鼻フックに洗濯バサミ、ムチなども使います。オフィスになんでこんなものがあるんだなんて野暮なことはいっちゃいけませんよ(笑)。一応、その辺はオチにつながってるみたいですし。

カラーコピーで平井小雪の顔やおっぱいなどを撮るという責め(?)も、オフィスでのプレイという特色を上手く活かしていますね。

そしてハードなイラマチオで顔射を決めた後は、四つん這いに拘束してスパンキング。そしてバイブを挿入したまま放置して、そこに社長を電話で呼び出します。

無残な姿のOLを見つけた社長は、助けるどころか、思わず責め始めてしまい、その姿を甲斐社員に撮影されて……。

甲斐太郎の渋い演技と、平井小雪の派手な絶叫っぷりが魅力的な作品です。冒頭10分くらいは、ひたすら甲斐太郎のみが映りまくっているので、甲斐ファンにはたまらないですよ〜。