文＝遠藤遊佐

一昨年「ポッポポッポ〜♪」で全国的にブレイクし、あっという間に一発屋と呼ばれるようになった鼠先輩。ご存知の方も多いと思いますが、元は某AVメーカーで働いてたんですよね。
そんな彼が「今のAVはおもしろくない！」とAV業界に殴りこみをかけた、と。
いやあ、これは気になるでしょう！
AKB48から安達祐実のお母さんまで、芸能人AVは数あれど知名度でいったら間違いなくナンバーワンですからねえ。

しかし、ナンバーワンなのは知名度だけじゃありませんでした。適当さもナンバーワン！　さすが全国区の芸能人であります（笑）。

まずは「あのオヤジに会いに行く！」とTOHJIRO監督を訪ねて、ギロッポンにあるドグマの本社ビルに乱入。
「俺がいた頃と違って活気がない。それはあなたに元気がないからです！」
ドグマの金で１本撮らせろと直訴します。
「CDにサインくれるならいいよ。全国区になったそのパワーでAV界に喝を入れてくれ！」とそれを受けるTJ監督。

芸能人パワーを最大限に活用できるジャンルといえば、なんといっても素人モノ。
かくして鼠先輩とそのスタッフ達は、渋谷の街にガチナンパに繰り出します。
こうして見ると、渋谷のど真ん中に鼠先輩が降臨しての撮影は、確かに普通のナンパAVと全然違う。パンチパーマにグラサン姿、白いスーツに「ザギンでシーメー（銀座で飯）」と描いたネクタイを占めた先輩を、街行く人がみんなチラチラ見ます。
おお、これはおもしろくなりそうですよ。

……と思いきや。
「鼠先輩プロデュースでセクシーアイドルを発掘してるんだけど……」と、一生懸命にナンパしているのはスタッフ達ばかり。

「ああ、2、3年前にいた……」
「そう、ポッポポッポ！　どう、やってみない？」
「いえ、結構です」

肝心の先輩は何をしているのかというと、近所のサイゼリヤでパスタ食ってるわけですよ。
まあ、しょうがないです。芸能人ですからね。
スタッフが鼠先輩の名前を武器にして女の子を捕まえるとそそくさと合流し、
「CSの番組だから。お金も払うし、セクシーアイドルの道につながるかもしれないよ！」
と超適当な舌先三寸で丸め込みます。
でも、ホテルに連れ込みパンティ脱がせるところまでやると、そのまま退散しちゃう。
やっぱり事務所の関係で、本番はできないとかあるんでしょうね（いや、単にめんどくさいからか……）。

その後も「暑いから」と自分は涼しいホテルで待機しながら、スタッフが捕まえた女の子を電話で口説いたり。かと思えばMっ気のあるちょっとタイプの女の子に「俺のポッポをポッポしてくれよ〜」と迫ったり。もうやりたい放題。
監督に怒られてほんの少しだけ街頭ナンパに出るものの、それもガチナンパというよりはファンのおばちゃんいじり。最後には知り合いの飲み屋の女の子を連れてきて、彼女を残して自分は飲みに行ってしまいます。
なんというか、テレビで見る鼠先輩のキャラそのまんまなんですよね。深夜番組を見ているような感じとでもいいますか。