文=安田理央
アートビデオの名作復刻シリーズ。今回は1990年制作の「快楽の調教 黒の儀式」と「禁断の卑肉」のカップリングです。
「黒の儀式」は、会社に行くと妻に偽って家を出た男が、駅でみかけた一人の女を尾行するところから始まります。
監督はおなじみ峰一也氏ですが、魚眼レンズを使った家庭用ビデオカメラによるゲリラ撮影を敢行しているのは、当時アートビデオに在籍して異彩を放っていたゴールドマンの影響によるものでしょうか。
新宿の街中で主演の番匠愛を追いかけまわす映像は、生々しく緊張感があります。
そして、女が入っていったマンションの部屋を窓から覗き込むと、そこには意外な光景が。さっき購入したばかりの真っ赤なランジェリーに身を包んだ女が、黒ずくめ(頭も全頭マスク!)の男三人に嬲られていたのです。
そしてその男三人と一人の女のプレイが延々と描かれます。縛られた体を三人がかりで責められる番匠愛。
パーマのかかったショートカットというのが、90年という時代を感じさせますね。この頃の「いい女」の代名詞的な髪型です。
その番匠愛の全身をまさぐり、なめまわし、蝋燭で嬲っていく男たち。思わず「気持ちいい」と甘い声を漏らす番匠愛が卑猥です。そして最後は上から下から挿入されての大乱交へ。
もう一本の「禁断の卑肉」は浅丘リカ主演のシスター物。目隠しされ、鼻と口にフックをかけられ、あえぐシスターに神父は、
「グロテスクな顔をさらして何を祈るんだ」
と言葉で嬲る。
四つん這いになり、神父の靴を舐めるシスターの黒い修道服がめくりあげられ、真っ白な尻が剥き出しになる。神父はその尻を容赦なくスパンキング。肌が真っ赤に染まっていく。
ベッドに大の字拘束されての剃毛や、顔や乳房を赤い絵の具で落書きされるといったプレイを経て、クライマックスは開脚逆さ吊りでの蝋燭責め。
宙に吊り上げられ、ぱっくりと左右に裂かれた股間へ蝋を垂らされシスターは「お許しください、神父様」と哀願を繰り返す。
とにかく、浅丘リカの切ない喘ぎ声が色っぽくていい。恥ずかしいけれど感じてしまうというマゾの哀しみが伝わってくるような喘ぎ声なのだ。細かい設定は全く語られないが、それでもこのシスターが神父によって完全に調教されてしまった身の上だということは、よくわかる。
両作とも、淡々とプレイが描かれる作品だが、どこか狂気を感じさせる演出が見事だ。
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