発売:2009/2/13
出演:二岡ゆり
監督:肥前嬉介
収録時間:DVD 93分+9分
価格:4,830円(税込)
品番:NRYO-20
メーカー:GIGA
文=安田理央
結局、エロというものは、ベタでオヤジな物ではないかと思うのですよ。洗練とか時代性とか、そういうものは、エロには不要。そんなのは撮られる女の子が「かっこいいわぁ、これはエロとは違うのね」なんて勘違いして喜ぶだけなのです。
だから私は、今一番素晴らしいAVレーベルはどこか、と聞かれたら迷わず凌辱研究所だと答えます。カルト絵師・如月むつき先生原作による凌辱研究所のAVは、あまりにもストレートに私の劣情のツボを刺激してくれるのです。
都内の下町にある築40年の古びたアパートに、わけありの子持ち美人が引っ越して来ます。大きな胸と尻を持つこの奥さんに、同じアパートに住むハゲオヤジが目をつけます。どうやら奥さんは、蒸発した夫の不始末によって金に苦しんでいるらしい。ハゲオヤジは、そこにつけ込んで、怪しいアルバイトの罠を仕掛けるのでした。
それは、恥ずかしいビデオを自画撮りするという仕事。同じアパートの住人のハゲオヤジが発注したとは知らない奥さん、恥じらいに耐えながら、必死に淫語を連発しながら、カメラの前でオナニーをするのでした。
この自画撮りシーンが実に素晴らしいのですよ。ハゲオヤジが指示した通りに「私は何年も子供と二人で、ずっと、おまんこしてないの。だから、おとこのひと欲しくて、ひとりでまんずりしちゃうの」「子供を産んで真っ黒になったおまんこ見て下さい」などと屈辱的で卑猥なセリフを口にして、腰をくねらせる奥さん。恥ずかしくて、ブルブルと震えています。その羞恥の表情がたまりませんし、ハゲオヤジが命じるセリフの文面が、また素晴らしいセンスなんですね。
ビキニを着せられて「ちんちんちんぽがほーしいの。まんずりまいにちずーりずーり」なんて唄いながらのエロダンスを強要されるシーンなんて、もうたまりませんよ。
そしてハゲオヤジは当然のことながら、脅迫するわけです。
「あのビデオ、ダビングしてお子さんの学校にバラまきますよ。いいんですか?」
さぁ、こうなれば、あとはもうハゲオヤジの欲望が爆発する凌辱タイムです。友人(もちろん中年男)と二人で奥さんを嬲りまくります。
ハゲオヤジが一番好きな格好だという「イエス、マスター」ポーズ(手を頭の後ろで組み、ガニ股で立つ)を何度も奥さんにとらせて、体中を舐め回し、触りまくる。ああ、このイヤらしさはオヤジならではですよ。若いイケメン男優には、この卑猥さはとても出せませんね。
最近のAVは、男優がなるべく画面に映らないようにする撮り方が一般的です。男はセリフもないことが多いのです。それはユーザーが男優に嫉妬するからという理由らしい。
そういう意味では、凌辱研究所のAVは時代と逆行しています。オヤジがしゃべりっぱなし。ナレーションも、オヤジの独り言。画面にも出ずっぱりです(しかも、鼻くそ食ったりしてます)。
でも、このハゲオヤジのエロさが、作品全体の卑猥さを何倍にもしているんですよ。このオヤジの台詞の下品さがあってこそ、羞恥に身悶える奥さんが輝くというものです。
「奥さん、こんなうんこをするような格好をして恥ずかしくないんですか」
「お互い臭いとこ舐めあいましょうよ」
ああ、なんと冴えた台詞の数々。これは原作の如月むつき先生の書いたものなのでしょうか。一言一言が効果的です。
私たちはあくまでも「エロ」が見たいので、「エロティック」「エロチシズム」が見たいのではない。凌辱研究所のAVは、そんな私たちの欲望に、しっかり応えてくれます。
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