文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
【明くる日お姉さんは……】
明くる朝、仕上げのセンズリを掻くと布団を飛び出した私は、玄関ロから戸ロに出て、何気ない風を装ってお姉さんを待った。
お姉さんの自転車は何時も決まった時間に来るのはわかっていましたが、何時もまだ布団の中でその音を聞いていたのですが、これからは早目に起きて戸ロに出て、お姉さんから直接新聞を受け取りたいと思うようになったからです。
お姉さんは新聞をくれる時にわざわざ自転車から降りて、私の両肩を抱くようにして顔を近付け
「どうや猛ちゃん、昨夜はあんた何回もへンズリしたんとちがうか?」
と小さな声で言いました。
私が黙って俯くと、私の耳元にロを近付け、
「あんた今日昼から学校休みやろう?、お姉ちゃん又来るで、他所へ行かんと待っとりなよ!」
と早ロで言うと、自転車に乗って行ってしまいました。
土曜日で学校は昼までですので、私は急いで家に帰って、お姉さんが来るのを待ちました。
お姉さんは二時頃裏ロから来ました。外からガラス戸をトントンと叩かれて、見るとお姉さんは何時もの集金の鞄を持って、自転車じゃなく今日は歩きです。
私の顔を見るとお姉さんは、
「猛ちゃん、ここより蔵の中の方が人が来ても見付からせんから、あっちへ行こう……」
と言いましたが、私もそう思っていた所でした。
私の家の蔵は朝母が開け、夜になると私が閉めますが、日中は入り口を開けています。(どこの家でもこの辺はそうしていました)
お姉さんは私の下駄だけは入リロにそのままにし、女物の自分の履物だけ持つと階段を登って来ました。誰かが急に入ってきた時家族以外の履物があってはすぐ誰か居るのがばれるからだというその時の用心のためと聞いて、私はお姉さんは頭がいいなあと思いました。蔵の二階には長持や本棚や大きな箱が沢山あり、履物さえ見つからなければ、いくらでも隠れる所があるからです。
二階の奥で私は昨日のようにお姉さんに全裸にされました。
「猛ちゃん、きのうはゆっくり見られやんだけど、今日はあんたの身体全部調べたげるから、早うパンツも脱がんか!」
と命令され、私はほとんどお姉さんの手で幼稚園の生徒のように服を剥がれたのです。
(続く)
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