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▼ 大肛門狂時代 お尻の穴のお勉強【38】
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文=横田猛雄
絵=伊集院貴子


猛ちゃんは、お姉さんとお尻の穴の修業にハゲミながら、一方で、お尻の穴に関する様々な知識を学んでゆきます。お尻の穴の立派なオーソリティーになるためには、理論と実践を共に身につけなければならないのです。そんな折も折、猛ちゃんが暮らす街で、ひとつの面白い事件が起こります。普通の人には単なる災難でも、猛ちゃんにとっては話は別……。


【集団検便】

私がお姉さんのお尻の穴に、ヌルヌルに濡れた硬いオチンチンを挿し込んで突きまくる快感と、その時お姉さんがとてもあわてて、ピクピクとお尻の穴の紐を、丁度栂指と示指とでつくった輪で締めつけるようにキュッキュッと喰いしめるあの気持良さを覚え、又反対に万年筆やドライバーの柄や、サイダーの瓶や、示指や中指などをお姉さんから仕返しにお尻の穴に押し込まれ、ピストンされるのがとっても気持のよいことだと知ったその頃大変な事がおこったのです。
地区の中央の地蔵堂の境内の半鐘がけたたましく連打されたのはまだ朝早くでした。
半鐘は地区の様々な連絡に使われて、叩き方で合図が決められていましたが、連打というのは大事や津波などの緊急事態発生の合図です。
ほとんどの人がとび起きて地蔵堂に集まりました。
赤痢が発生したということなのです。

区長さんの言うには、地区の南の方の大工さんの一家が様子がおかしかったのが今朝がた赤痢だと分かったとかで、唯今から地区の出入ロは完全に閉鎮されるので、この地区の住民は誰も地区から一歩も外に出ることは出来ないとのことで、南北に通じる大通りには駐在さんの外、応援の警察官が来て立っているとのこと。
当然学校も会社も全部休みということで、本当ならうれしいところですが、赤痢とかコレラとかでは明治時代に沢山の死者が出たことを祖父から聞いていましたので、休みになっても唯不安で一杯でした。
明るくなったら県の保健所の人が来るからそれまで各自が家に待機しているようにと言われ、皆それぞれガヤガヤと帰ってゆきました。
私が家にいると九時頃、駐在さんと区長さんが私の家にも廻って来て、父と母が出ると駐在さんは大きな帳簿を開いて私の家の家族全部の生年月日などを確認すると、

「十二時から一人残らず検便があるで、皆公民館に来てくれ、これは法律で決まっとるんやで、男も女も、一人残らす調べられるんや、まあわしらは兵隊検査でやられたけど、あれとよう似たもんや、男なら何でも無いけと、女の人は一寸嫌かわからんけど、まあ仕様が無いわなあ、今は……」

と母の顔を見ました。
駐在さん達が出てゆくと、母は、

「女の人は一寸……て何やろ、検便でお便所でウンコして取って出すのやろう? 新聞紙でも下へ敷いといてそこから採るのやろうか? 出たらええけど、出やん人は何とすんのやろう?」

と心配そうな顔をすると、父は、「兵隊検査みたいやで言うとったから、まさかあんな、牛もうみたいにさせといて、そこで浣腸でもして出さすのと違うかのう、伝染病の検査やでそらきびしうて当り前やで、ケツの穴から何ぞの機械入れて調べるのかわからんぞ」と言ったのです。
母は、
「それは伝染病やいうて、何ぼ何でもお尻の穴から調べるて、そんなことあるわけ無いわ、お父さん嫌らしいこと言う……」

と言いました。


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