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▼ すあまにあ倶楽部 第51回 美の小人たち

文=抱枕すあま

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↑この並木道を過ぎたところに、彼女はいる。


名古屋市昭和区。JR中央線の鶴舞駅で降りると、目の前には鶴舞公園が広がっている。戦後は、進駐軍に接収されたりしたが、現在は市民の憩いの公園となっている。

私は、ここで彼女と出会った。彼女の名は、ベアトリーチェ。9歳の少女である。


ベアトリーチェには、鶴舞公園のバラ園へ行けば、いつでも会うことができる。彼女は、いつもバラ園が一望できる、一番良い場所に立っているのだ。

私が彼女に会いに行ったのは、バラの花が咲いていない12月のことであった。しかし、それでも彼女はいつもと同じように、バラ園の中に立っていた。まるで、バラが咲きほこる春が待ちきれないかのように。

彼女は、夜になっても家に帰ったりはしない。そして、どんなに寒い冬でも服を着たりはしない。いつも全裸である。なぜなら、ベアトリーチェは、フランチェスコ・メッシーナによって作られたブロンズ像なのだから。

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私は、彼女を一目見たときから、その美しさに圧倒された。ここまで美しい少女の裸像は、他にあるだろうか? 彼女は、あまりにもリアルで、本当に生きているかのようである。

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あどけない面立ちと少女期にしか見られない胸と下腹部の独特な膨らみ。小ぶりなお尻。そして、真っ直ぐなクレバス。どこを見ても、大人にはない、少女にしか持ちえない美しさがそこにはある。

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美しいものは美しい。大人の女性の裸体が美しいように、少女の裸体も美しい。

フランチェスコ・メッシーナ作ベアトリーチェ。鶴舞公園で、彼女は今日もバラ園を見つめている。

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