文=横田猛雄
絵=伊集院貴子
【女の子らの裸】
健康優良児の、特に女の子の写真は本当に生々しく、こんな太い股でギュウと挟みこまれて締めつけられたら……と、私はそれを喰い入るように見つめていました。
私の心の深層には、こんな太股で締めつけられ、こんな逞しい腕で抱え込まれて、あの豊かな胸にそのままグッと顔を押さえ込まれたら、最高に恥ずかしく、気持良く、しびれるようで、そのまま息が出来なくなって何回も絞められながら死んでしまってもいいなあという一種被虐的な願望が湧いてきました。
その辺の大人よりもはるかに豊満な身体をしながら、顔は小学六年生や私と同じ中学一年生で、短いオカッパでまた子供っぽく。
その顔を見ていると、誇らしげにしっかり胸を張って足を踏んばって、私のことを劣等視しているようで、こんな、同年輩でこんな逞しい子がこの日本のどこかに何十人もいるんだなあと思うと、いつか彼女らのいけにえにされたいという気になるから不思議です。
廊下から来る先生の足音に、あわててその本を閉じましたら、入ってこられた落合先生は、
「何や、かくさいでもええやんか……横田に見せたろと思って置いといたんやからゆっくり見なさい!」
と言って机の上に紅茶を二つ置くと一つは私にすすめ、一寸自分も飲みかけたかと思うと、
「今日はえらい暑いなあ」
と言って立ってゆかれました。
次の間から出て来られた先生は何と私と同じく一糸まとわぬ全裸なのです。
(続く)
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