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▼ 大肛門狂時代 お尻の穴のお勉強【94】

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文=横田猛雄
絵=伊集院貴子


見かけはみっともない大ギンタマですが、なかなかどうしてあなどれないものでございます。その道の好き者たちにとって大ギンタマは素晴らしい威力をもつものとして語り継がれているのでした。ぺシャンぺシャンとお尻の穴をたたく大ギンタマを一度お試しあれ。


【怪僧ラスプーチン】

先に弓削道鏡という妖僧のことを書きましたが、性的に妖異な超力を備えた僧が、高貴の女性に近付くことによって、その国の政治を我が意のままにした例は多いのですが、その一番の代表者と言われるのが有名なラスプーチンです。

時は帝政露西亜の頃、一介の農奴の倅として生まれたラスプーチンは、身に備わったその妖しい能力によって次々と高貴な女性達を自らの性の虜にして、ついには王室に取り入り、あの世界最強の陸軍国と言われた帝政露西亜を完全に骨抜きにしてしまったのです。

ラスプーチンの魅力は、第一に女性を魅了してしまう妖しい瞳、そして第二は女性の胸と子宮にビンビン響いてくるその声、その二つによって宮廷の婦女子は皆、魔術にかけられたように彼の意志のままになったと言われていますが、我が朝の道鏡も全く同じで、彼の声明の音声はすべての女官達の子宮を刺戟したと言われています。

声明というのは仏教で、僧侶が経文を誦む時に発する一種の発声法で東大寺の大仏開眼の供養には、多数の我が国の僧侶に加えて、唐やバラモン(古代インドの司祭階級)の僧まで参加して唱和したその声明の声音は、まさに今日の大オーケストラと同様の効果をもち、女性を完全に酔わせたことでしょう。

今日でも世界的なバリトン歌手の声に女性達が痺れて失神するように……。
ラスプーチンも同じくグレゴリオ聖歌のあの地底から湧きおこるような腹に響く歌声で、宮廷中の女性をすべて腑抜けにし、酒池肉林の巷にしてしまったのです。
道鏡の場合は男根が並はずれて巨大であったことはよく知られていますが、睾丸までが巨大であったかどうかは詳かではありません。
ラスプーチンの場合は、その睾丸も人並みはずれて巨大であったことがよく知られています。

人間よりも家畜と同等と見られた農奴階級の中から皇帝以上の夜の帝王にまでのし上がった彼の遍歴こそ興味深いことですが、彼が果たして生まれながらにして脱腸であったのか、はたまた特殊な習練によってその睾丸を巨大に育てたのか、いずれであるかは今もって不明で、そこが妖僧・怪僧と言われるゆえんでもあります。

私が想うに、農奴階級出身ということから考えると、食うや食わずの劣悪な栄養摂取状態では、幼児期の筋肉の発育に著しい障害が生じるので、虚弱体質故に脱腸になる例が多いと言われますから、ラスプーチンがその生い立ちからして脱腸であったとしても当然と考えられます。

しかし彼は並はずれた巨人で巌のような肉体をしていたと言われていますから、もしかしたら彼の睾丸は後天的・人為的に巨大化させたものかも知れないとも思われるのです。
大学時代に『文化人類学』の専門書を漁っていた時、戦前の古い本でしたが、ロシア正教について書かれた所に、厳格なロシア正教の信者は性欲を完全に否定するので、男女共にその教えに忠実である証に、自分の身に去勢を施すということが書いてあり、去勢を済ませた女性信者の裸体写真が挿絵として載せられていました。

去勢というと一般に男性の玉抜きを連想しますが、その女性に施された処置は、両乳房と子宮・卵巣の完全除去済みを示すものでした(完全に中性化するということ)。
ラスプーチンもきっと僧籍で立身出世するために一度はこの去勢を試みたのでは無いでしょうか? 睾丸の怪我や病気になった人の処置例でよく聞くのは、睾丸は非常に化膿し易い所で処置仕損ないで、脱腸以上にポンポンに膨れ上がった例をよく聞きますが、ラスプーチンも自ら去勢しようとして果たせず中断し、その結果巨大に膨れ上がった睾丸を、逆に自分の武器として最大限に利用したのかも知れません。

真実は彼と神のみが知る……歴史の謎です。
(続く)


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