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▼ 大肛門狂時代 お尻の穴のお勉強【98】

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文=横田猛雄
絵=伊集院貴子


悪ガキ安太郎の印象が強いせいか、脱腸の大ギンタマを良く思っていない落合先生。それどころか、世にもみっともない、出来損ないのように罵倒する始末。そんな落合先生に上田先生は、自分の少女時代に見たGHQの女性高官達の話を持ち出して聞かせるのでした。


【狸は日本人】

美濃屋の安太郎の与える悪い印象から、脱腸の大睾丸を世にもみっともない、出来損ないのように言う落合先生に、自分の少女時代の実見を基に、それは浅見だと諭す上田先生の

「脱腸脅威論」

は、誠に説得力のあるもので、しかも丁度折よくその時上演されていた話題の映画『怪僧ラスプーチン』の話にまで飛び火し、異常な巨大麻羅と大睾丸の超威力の話は、非常に興味深いもので、尽きるところを知りません。
好色で性的欲求不満の極みのまま来日した、GHQ(占領軍司令部)の女性高官達の専用の、生ける性欲処理器(つまりダッチボウイ)として活躍することになったお寺の息子の中村行信さんのその後の奮闘の逸話の数々は、実に珍奇で面白いのですが、余り長くなりますので又別の機会にお話しするとして、ここでは彼があの日から数日のうちに、『占領軍厚生局娯楽課嘱託』という厳しい辞令をもらって、アメリカの高級将校並みの高給取りに一躍出世したことを記しておきます。
終戦までは、

「あの大睾丸は日本中の男という男が全部死んでも、あいつだけは死なんでもええ、徴兵洩れの非国民やさ」

と村中から白い眼で見られていたのが、陶器の置物の狸が糸ロで、下の方のロに飢えている占領軍の女性高官達に見出されて、身に備わった隠れた才能と資質が引き出され、思いも寄らぬ、一夜にして、

「今太閤」

と言われる身分に出世したのです。
当時彼女らアメリカ女性達が大変に興味をもって精力的に蒐集したあの狸ですが、彼女らはあれを狸だとは思わず、あれは日本人の男性を写した像だと思っていたとのことで、本国へ送られたそれらは、向こうの女性達に、日本人の像として珍重されたそうです。
戦時中はアメリカ人は日本人のことを、背が低く、蟹股で、近視で、反っ歯で、猫背である、と言い、そのため在米の支那人が、所々で彼らに、

「こいつが日本人だ!」

と間違われて袋叩きに逢うという笑えぬ悲劇が起こったと言うことです。
それにしてもケツの穴から強力な電流を流して楽しむとは、さすがは肉食のアングロサクソンです。
終戦後、朝鮮戦争の勃発した頃は屑鉄や銅、真鍮などがいいお金になるので、電線を切って盗む者が時々いました。
それで垂れ下がっている電線を踏んだり、手でさわったりしてビクンビクンと痺れている人を時々見ることがありましたが、凄いです、髪の毛がハリネズミのように逆立って、場合によっては死ぬ人もあり、感電してビリビリ痺れて踊っている人を助けようとして、その人の手を引っ張ろうと握ったとたん、二人連結して目刺しのようにビリビリ痺れたままになったり、当時私達はこれを、

「電気に吸い着かれる」

と表現したものです。
感電は確かに過激な、危険なテクニックですが、度々これを経験すると、慣れによって、えも言われぬ快感を感得することが出来、電流の刺戟にも次第に慣れる窮極の高等技法だそうですが、まさに地獄と極楽が紙一重とはこんなのを言うのでしょう。
上田先生の話を聞いた落合先生は、

「へえあの大睾丸がそんなに役に立つとは知らんだわ」

と感心していました。

(続く)


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