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▼ 欧州フェティッシュジャーナル 【17】コキガミ:装飾ペニス

文=アニエス・ジアール

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在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が世界のフェティッシュ事情をお届けします。1990年、海外のある研究者が日本の変わった風習「コキガミ」を世界に紹介したのですが……。


和紙でペニスを包むという伝統芸術、「コキガミ」をご存知だろうか?

日本人でさえ信じてしまった、この胡散臭い伝承は2人のニュージーランド人によって創作された。

1990年、ニュージーランド人のブルトン・シルバーとヘザー・ブッシュは『コキガミ-和紙の衣装の極小アート-』というタイトルの本を出版した。コキガミとは、折り紙で装飾したペニスを指す。

2人は、このペニスを装飾する伝統芸術が古代からのもので、日本ではコキガミの名前で呼ばれていると説明している。それが本当ならば、コキガミとは和紙や絹、布、飾り紐を使ってペニスを飾り立てる技術(訳者注:水引のようなものと思われる)のことである。

その目的:勃起したペニスを、ある種ブーケのように装飾し、愛情表現をすること。

2人の著者は、コキガミは13世紀までさかのぼる日本オリジナルの伝統だと続ける。「コキガミの起源はいまだに学術的な論争の対象である」と、2 人は断言している。「ある説では、このコキガミの技術は折り紙の折り方に類似していると言われている。また別の説では、切り紙の技術から来ていると考えられている。実際、コキガミは2つの技術(折ったり切ったりする)を駆使している。しかし、主流となっている説では、コキガミの起源は包む技術(風呂敷のような包み方)によって、より向上したと考えられている」。

妙なことに、コキガミについて書かれた文献を探すのは不可能だ。もっとおかしなことに、コキガミついて書かれているのは、この得体の知れないニュージーランド人の書いた本だけなのだ。

この説は、全くもって空想の産物なのである。

「その証拠に、日本の最初期の文献には、貴族が女性を訪問する前に、自分の男性期を包んだとある。古事記(712年に完成された日本最古の歴史書)の何編かには絹の紐(リボン)をつくることに人生を捧げる男性に関する記述が出てくる」と2人の著者は綴る。

判明したこと、それは古事記にそのような記述はないということ。けれど、ペニスを可愛らしく装飾するという伝承は日本の何百ものインターネットサイトで反響が返ってくるほど魅力があるらしい。

「コキ」という語感が英語の「cock(ペニスの俗称)」のようだけれど、誰もその言葉遊びに気がつかなかった。日本のほんのいくつかのサイトだけは、「コキガミは存在するのか?」と若干懐疑的だった。

心から怪しんだ人は誰もいなかった。

全てはニュージーランド人たちの創作だった。エロティックな歴史を捏造し、それを発表したのだ。彼等は、全世界の人をかついで、自分たちの大胆さに満足した。

けれど、そこから本当に一つの精神療法が確立された。著書の中で、ブルトン・シルバーとヘザー・ブッシュは一部のアメリカのセラピストが、自分の患者に対しペニスを装飾するのを推奨しているという面白い結果を紹介している(※訳者注)。

それじゃ、見に行きましょうか。

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