文=アニエス・ジアール
在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします。今週は2008年9月にフランシスがオーガナイズしたパーティ「フェティッシュ・ゴシック」の模様と、パーティが行なわれた聖サバン・カーヴをご紹介します。
2008年9月13日の土曜日、フランシス・ドゥドブラーは新しいパーティ『フェティッシュ・ゴシック』をオーガナイズ(主催)した。
パーティはヴォー・ル・ペニーユ城よりもずっと小さな場所、パリ(バスティーユ)の流行の地区にある、聖サバンというカーヴ(地下酒場)で行なわれた。
その場所は、彫刻の施された支柱、鉄のオブジェで飾られた重厚な扉を持つ17世紀の丸天井のワイン貯蔵庫だ。
週に一度、聖サバン・カーヴは中世(がテーマ)のパーティを開催する。
パーティでは、ビールとフランボワーズ(木苺)ワインのカクテルが飲めるのだ。
飲み物は、陶器や牛の角に注がれて提供される。
女の子たちは中世の姫君、もしくは農家の娘の格好をし、男の子たちはトゥルバトゥール(吟遊詩人)、(剣を携えた)甲冑、もしくは毛皮を纏った貴族の格好をしている。
パリでは、刀剣類を持って道を歩くことが条例で禁じられている。
許可されているのはポケットナイフだけだ。
でも、パーティに来た人たちは大きな剣を持っていたが、警官は止めなかった。
警官はこう尋ねる。
「お前たち、聖サバンのカーヴに行くんだろう? そう? OK! さ、行った行った!」
聖サバン・カーヴの持ち主、ティエリーは中世ヨーロッパをひどく愛している。
奇妙な品々が専門の骨董屋なのだ。
ティエリーは、いつも私に自分のコレクションを見せたがっている。革のタロットカードやホルマリン漬けの奇形の胎児、ジバゴ(ネイティブ・アメリカンが作る「干し首」の入れ物)、等々。
私? 私はコレクションを見ることはいつも拒んでいる。
『フェティッシュ・ゴシック』の夜、ティエリーのコレクションを見てうんざりしたくないので、私はお手洗いに避難して、鏡越しに皆の写真を撮って夜を過ごしたのだった。
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