文=アニエス・ジアール
在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします。2008年9月1日に39歳の誕生日を迎えたアニエス。今週は、彼女がその日に何を思ったのかが語られます。
2008年9月1日、私は39歳になった。
老いというものを私は怖れていないものの、毎回、私のバースデイが近づくと私たち(※ドゥドブラーとアニエスはパートナー関係)恋人同士の間では激しい危機を迎えるのだ。
私は自分の人生の総括をする。
特に、恋愛において。
私は夫のフランシスを愛しているのかしら? ええ。
けれど、フランシスと一緒にこれからも人生を歩みたい?
わからない。
時々、私は満たされなくて、欲求不満、だから夫をチェンジしたいのだ。
いつものように、私のバースデイの一週間前、そういうことで私は夫と別れたいと思った。
ある朝、私はフランシスに自分と別れてくれるように言った。
フランシスは私のことをよく解っているので、ただこう尋ねただけだった。
「どうして?」
私は答えた(いつものように)。
「充分に愛していないからよ。私は満たされない思いでいっぱいなの。欲求でいっぱいなの。でも、何もおこらないじゃない。それで、もう死にそうなの」
フランシスは(いつものように)39歳のお祝いに私の欲しいものを何でもくれると約束してくれた。
だから、フランシスに「私、週に一度はできるだけたくさんの男たちと愛し合いたいの。もしそこにあなたが居るなら、見ていてほしい。写真に撮ってほしいし、参加してほしいの。もしそこにあなたが居ないなら、男の人たちに写真を撮ってもらって、その写真でオナニーしてほしいわ」と言った。
フランシスは「いいよ」と答えた。
そのとき、私はフランシスと一緒にいると決めたのだった。
どうしてかって? 「愛」は、自分の妻を売春婦のように扱うことだから。
できる手段をすべて使って、彼女を楽しませること。
彼女に贈り物をする、もしくは他の男どもに彼女を贈ることで。
私の友人の多くが同じ考えだ。
それでバースデイ当日は、いつものように、プライベートなパーティを開いて、お祝に友人たちと愛し合ったのだった。
私は年を取ることが怖くない。
フランシスに、毎年新しい贈り物をお願いするから。
そして毎年、たくさんのファンタジーを実現させる。
死ぬ瞬間は、たくさんの美しい思い出があって、あっけないものだろう。
なんの後悔もないだろう。
写真には(カーキ色で軍隊のコスチュームを着た)カトリーヌ、(戦闘服の)ガエル、そして(フェティッシュなビニール衣装の)私が写っている。
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