文=アニエス・ジアール
在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! 来日した際、高野山まで足を運んだというアニエスとフランシス。2人はそこで何を感じたのでしょうか?
7月23日に、フランシス・ドゥドブラーと私は高野山の寺院に訪れた。
その寺の規約を読んで、とても驚いた。
規約の第2章に「自殺、出産、被爆以外の原因で死んだ場合、お金とお花は寺へ供えられる」とある。さらに驚く事に、規約の第3章は大部分を放射能についての記述に割いている。「もし被爆が原因でこの寺で亡くなった場合、家族への補償はない、云々」どうしてこのようなものができたか考えた。もしかして、高野山にはたくさんの被爆者が来るのだろうか?
規約の一番最後に、暴力団がその寺に入る権利がないとの記述があった。1992年3月1日から施行された暴対法のためである。
これはおかしい。一時期は、ヤクザ達も高野山へ来ていただろう。彼等は「護摩焚き」に参加するため、朝の5:30に起床したのだろうか?
通常は全ての訪問者が読経を聞きに行かなければならない。私は、そういう人々がここへ来る理由を想像してみた。
高野山には静寂があり、そして鐘の音だけが響く。ここは平和に満ちた、死にふさわしい場所である。しかし、性欲は起こらない場所だ。フランシスと私はその晩、愛し合わなかった。
朝の6時、我々は読経を聞いた。それから正午、墓地を見て回ったあとすぐに、そこから出て行った。
刺青、アウトロー、子供たち、エロスの息づく世界へ戻るために。
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