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▼ コルセティエの見る夢は 第2回 「ムートンコルセット」
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文・コルセット製作=PureOne(P.C.W)

写真=インベカヲリ★
モデル=真白

男性のコルセット職人を「コルセティエ」と呼びます。フェティッシュ・アイテムとしてのコルセットにこだわらず、深い伝統と格式に裏づけられたコルセットを模索する新進気鋭のコルセティエ、「Pure One Corset Works」のPureOne氏。そんな彼が製作するコルセットを、写真とPureOne氏自ら語る制作秘話や解説などとともにご紹介する、フォトギャラリー連載です。第2回も前回に引き続き写真家・インベカヲリ★さん&モデル真白さんでお届けします!


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日本のアパレル業界では、なぜかデザイナーとパタンナーの地位が高い。
まるでそれだけが技術者かの様です。

しかし、実際の現場は違います。
デザインし、型紙を起こし、生地を整理し、裁断をし、縫い合わせ、アイロン掛けと、幾つもの工程があり、それぞれにプロがいます。
私も生地メーカーのアパレル生産管理として働いていた時代、アイロン師の方にわずかながらも技術を伝授して頂いた経験があります。

特にコルセットの様な伝統的な服を作る場合、裁断ほど神経を使う物はありません。
「たかが生地を切るだけだろう」と思われるかもしれませんが、イタリアのテイラー(メンズスーツの仕立て屋)業界では、縫製師よりも裁断師の方がずっと地位が上にあります。また、最高の技術者に与えられる賞が「金のハサミ」。
そういった事実を踏まえると、たかが裁断と思えなくなります。

特にウールの様な獣毛は、下準備の時点から時間が掛かります。
湿度で生地が安定せず、十分に湿気を与え、更に十分乾燥させてから使います。
毛皮となると、一枚から使える箇所は限られるのでその箇所を選び、さらに裁断の時点で毛足を切らない様に裏返しにして、ナイフで皮膚の部分だけを切り取ります。

こういう作業を通すと、死んだ物にも生命や魂が感じられるように想います。
死んだものの魂にメスを入れる。非常に不思議な感覚にとらわれるのです。

谷崎潤一郎の著書「刺青」は、何も知らない世間知らずの女性の背中に女郎蜘蛛の刺青を入れる彫師の話です。
刺青を入れられた女性は、途端に妖艶な姿に変化します。

彫師が生きた女性の背中に彫り物をするが如く、私も死んだ魂にメスを入れ、コルセットを作ります。
きっと彫られていた女性は、途端に妖艶になった訳ではなく、彫られながら痛みの中で何かを考え、成長したのでしょう。
コルセット作りも、この成長が他の服よりも見え、それが楽しくもあり、恐さでもあります。

普通の服は、人に着せてやっと立体になり、意味をなします。
しかし、コルセットは作っている最中から3次元にムクムクと成長していきます。
物言わぬ死んだものの魂が、何かを語りかけてくるのです。立ち上がってくるのです。

今宵、誰かの温もりが欲しくなったら、このコルセットに包まれてみませんか?
この一着のコルセットには、子羊6頭分の毛皮が使用されています。
その6頭の可愛い子羊の魂が、あなたのまわりをぐるぐるとびまわり、あなたを永遠の眠りに誘うかもしれません。

さぁ、数えてみましょう。
羊が一匹。羊が二匹。

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