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▼ すあまにあ倶楽部 第13回 お土産は人形焼き

文=抱枕すあま

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正月は、名古屋に帰省しておりました。やっぱり、実家はいいですね。久しぶりに、ご隠居状態の母親と、ゆっくり話をしましたよ。
「この前ね、久しぶりに北区の叔父さんのところへ行ったのよ。叔父さんは、歳が90近いでしょ? なんだかね、急に呆けちゃったみたいでね。同じ話を私に4回もするのよ。老いというのは、なんだか切ないわね……」
私の母は、少し淋しげにそう言ったのです。それも、なんと3回も! 60歳を過ぎたばかりだというのに、我が母は既にリーチです!!


私には姉が一人います。私が大学に入学するときに結婚したので、小学5年生の甥っ子と、幼稚園の年長組に通う双子の姪っ子がいるのです。ちなみに、オナニーマエストロの遠藤遊佐さんと同い年です。いやぁ〜、人生いろいろですなぁ。
あっ、遠藤さんのコラム(WEBスナイパーに掲載)で、エアー・アイドルをご紹介いただきましたが、あれは抱き心地がよくないので、遠慮しておきます。やっぱり、ノーマルな枕が一番ですよ。なにせ、Aカップもないくらいの貧乳ですし。

以前、私の両親が東京へ遊びに来たとき、姉の家族へのお土産として、キティちゃんの人形焼きを2箱買って帰りました。すると、双子の姪っ子は、1人に1箱貰えたと勘違いしたようで、家族で分けることもせず、気付いたときには完食していたのです。可哀想な甥っ子は、一つも食べられませんでした。

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↑双子の姪っ子に大好評だった、ハローキティ人形焼き。白ネコ味です。……ウソです。

そんなにも人形焼きが好きならばと、私は姉の家族へのお土産として、人形焼きを買って帰りました。

姪1 「あのね、あのね、おしりかじり虫は、8歳までお尻をかじっちゃダメなんだよ。あとね、6歳まで大阪で暮らしてたんだって」

す 「お願いだから、叔父さんにそういう話はしないでおくれ。叔父さんはね、そういうくだらない知識が増えると、その分だけ社会常識に必要な知識を忘れちゃうのだよ。それはそうと、はいお土産。人形焼きが大好きなんでしょ?」

私は、双子の姪っ子にお土産の人形焼きを手渡しました。

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↑お土産の笑点人形焼き。

私は名古屋へと向かう新幹線の中で、双子の姪っ子がどのように喜んでくれるのか、ずっと空想していました。

す 「はい、お土産の人形焼きだよ」

一同 「やった! 笑点の人形焼きだぁ!!」

姪1 「私が歌丸師匠食べる!」

姪2 「歌丸師匠は、私のものよ! 誰にも渡さないわ!!」

甥 「僕も歌丸師匠が欲しい!」

姪1 「お兄ちゃんはバカだから、木久扇師匠でも食べてなさいよ!」

甥 「なんだと!!」

す 「これこれ、喧嘩はやめなさい」

姪2 「叔父さまには、昇太師匠をあげるからね。未だに結婚できないところがそっくりでしょ?」

す 「ふんがっ!! せめて、精力が強い山田くんをちょうだいよ」

姪1 「ほらほら、見てみて。楽太郎師匠は、やっぱり中までアンコが入って真っ黒ね」

姪2 「ほんとだ。ところで、どっちが小遊三師匠で、どっちが好楽師匠?」

甥 「どっちでもいいじゃん!」

姪1 「そうね。うふふふっ」

姪2 「おほほほっ」

甥 「あはははっ」

す 「嗚呼、なんて幸せな正月だろう……」

こんなふうに、双子の姪っ子は喜んでくれるだろうと期待していたのです。しかしですね、現実はあまりにも残酷でした。

す 「はい、お土産の人形焼きだよ」

一同 「わ〜い!! ありがとう、おじ…さ…ま……」

姪1 「……」

姪2 「……」

甥 「……」

す 「あ、あれ、どこ行くの? 人形焼き、好きじゃなかったの?」

双子の姪と甥っ子は、お土産を受け取りもせず、どこかへと遊びに行ってしまいました。

この後、私はなぜだか親戚一同に囲まれて、説教されてしまいました。
双子の姪っ子の好きなモノをお土産に買って帰っただけなのに、何故に私が怒られないといけないのだ??

(続く)


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