文=抱枕すあま
某県にある私立すあま女子高校では、謎の伝染病が大流行していた――
教 「す、すあま校長! た、た、大変です!!」
す 「教頭先生、そんなに慌てて、いったい何事ですか?」
教 「とうとう我が校でも、『あしか』が大流行し始めました!!」
す 「今年の春先に大流行した『はしか』が、なんでこの時期に!?」
教 「いえいえ、『はしか』ではなく、『あしか』ですよ!」
す 「な、なにぃ!? あのセーラー服が似合う美少女がアシカになってしまうという、謎の伝染病のことか?」
教 「そうですよ、校長! 生徒達が次々とアシカになってしまい、学級閉鎖となるクラスが続出しています!! 予防接種のお陰で、『はしか』はなんとか防ぐことができたのですが……。『あしか』にも効く、予防接種を行っておくべきでした」
す 「いや、『あしか』の予防接種は、副作用でアザラシになってしまう可能性があるからね。とりあえず、『アシカ』に罹った生徒の家に、様子を見に行ってみよう」
す 「君、大丈夫かね」
生 「しくしく……。しくしく……」
教 「かなり落ち込んでいるようだね」
す 「くんくん……。くんくん……」
教 「すあま校長、何をされているんですか?」
す 「女子高生の部屋の匂いを嗅いでいるのだよ。見て分からなかったのか?」
教 「思いっきり分かってましたが、念のために確認しただけです」
す 「そうか、それならいい。しかし何だな。女子高生の部屋というのは、ケモノ臭い匂いがするものなのだな」
教 「まぁ、アシカが部屋の中にいるのですからね。ケモノ臭くなるのも当然でしょう。それより、この生徒は、かなりのショック状態のようですよ」
す 「朝起きたらアシカになっていたのだから、当然だろう」
生 「しくしく……。校長先生、私はどうしたらよいのでしょう? だって、だって、私は泳げないのですよ! それに、球技だって苦手なのに……。このままでは、立派なショーをお客様にお見せできない……。しくしく……」
教 「オイ、君。悩みどころが違うだろう?」
す 「そうだよ、教頭先生のいうとおりだ。今、最も重要な問題は、アシカになったらセーラー服が着られなくなるということだ!」
教 「すあま校長! そういう問題ではありません!!」
す 「そ、そうか? それ以外に、なにか問題でもあるのか? ブルマやスクール水着姿が似合わなくなることも問題だが……ぶつぶつ」
教 「今、最も重要な問題は、うちの生徒がアシカになってしまったことなんです! アザラシやオットセイになったのとは、問題の大きさが違うのです!!」
す 「でもさ、アザラシやオットセイだって、セーラー服は着られないよ」
教 「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、セーラー服が着られるか着られないかは、問題じゃないのですよ!!」
す 「しかし、このままずっと学級閉鎖のままという訳にもいくまい。とりあえず、このボールでアシカショーの練習をしてみようか。ほら、いくぞ!! はいっ! それっ!! おおっ! 上手じゃないか!!」
生 「校長先生、有り難うございます。これで私も、アシカとして頑張れる自信が持てました」
す 「よし! それじゃ、ご褒美の生魚だよ」
(バシィーーーンッ!!)
生 「いやぁ〜〜〜ッ!!」
教 「ど、どうしたんだ? アシカの大きな前足で叩かれたから、校長先生は10mほどぶっ飛ばされて、気絶してしまったよ」
生 「私、お魚の目が怖いの! 刺身にしてくれなきゃ、食べられないの!!」
教 「なんてワガママなアシカなんだ」
す 「あ……あ……あ……」
教 「こ、校長! 大丈夫ですか!? このワガママなアシカに、何か言いたいことがあるのですか?」
す 「わ……わ……わたしは……四つ足で歩く魚が怖い……」
教 「校長、それは私も怖いです」
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